【がん保険は、契約時期で保障内容が大きく異なることがあります】
日本で初めてがん保険が発売されたのは1974年で、保障内容は治療のための「入院」と、「死亡」(※1)だけでした。
現在、おもながんの治療法は、外科治療(手術)、放射線治療、薬物療法(抗がん剤治療など)の3つです。がんの標準治療では、放射線治療や薬物療法を取り入れる例が多く、その場合通院で行なわれることも一般的です。そのため以前よりも長期入院する割合は低くなっています。実際がんによる平均入院日数は、1996年には46.0日でしたが、徐々に下がり2017年は16.1日となっています(「厚生労働省 平成29年患者調査」より)。
このように治療法が変わる中で、がん保険も変化してきました。初めてがんと診断された時の「診断給付金」や、当初は対象外だった上皮内新生物も保障される保険。さらに、入院しなくても受けられる「通院保障」、通院でも治療費が高くなりがちな「放射線治療や抗がん剤治療の保障」などです。
がん保険は、治療にかかるお金に備えるのが目的で加入する保険です。契約時期が長いがん保険の場合、現在の治療に対して保障内容がマッチしない可能性があるので注意が必要です。
がんも標準的な治療であれば、健康保険が使えます。しかし治療が長期になる可能性も高く、経済的な負担はじわじわ家計に響いてきます。特に現役世代では、仕事と治療のかねあいで収入がダウンすることもあり、生活全般への影響も大きくなりがちです。
もしもがんになったら…。がん保険に加入した方がよいかどうかは、年代や家族状況で違います。もしすでに加入しているのであれば保障内容を、未加入なら必要性を、一度確認することをおすすめします。
(※1)がん以外での入院や死亡の場合は、支払われない。
NPO法人Wco.FPの会 藤井 智子
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