2023/4/24(最終更新日)

マイナンバーカードの健康保険証利用|メリットからよくある質問まで

2021年10月20日、マイナンバーカードが健康保険証の代わりとなる制度が全国でスタートしました。「マイナ保険証」への完全移行が予定されている2024年秋までには、紙の健康保険証が徐々に廃止される予定です。

制度の開始により、ウェブサイトでの手続きが可能になり、予約や受付の際にカードを提示するだけで受診することができるようになります。当記事では、マイナンバーカードを健康保険証として利用するメリットと注意点、よくある質問とその答えを紹介します。

目次

1. 「マイナ保険証」とは?

2. マイナンバーカードを健康保険証として利用するメリット6つ

2-1. 医療機関での手続きが自動化される

2-2. 引越し等による各種切り替え手続きが簡易化される

2-3. 高額療養費制度の手続きが簡易化される

2-4. e-Tax連携で医療費控除の入力が自動化される

2-5. 初診時の窓口負担が軽減化される

2-6. マイナポータルから各種情報を簡単に確認できる

3. マイナンバーカードを健康保険証として利用する際の注意点

4. 【Q&A】マイナンバーカードの健康保険証利用に関するよくある質問

まとめ

 

1. 「マイナ保険証」とは?

 

「マイナ保険証」とは、マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにする制度の通称です。従来の健康保険証の代わりにマイナンバーカードを医療機関で提示すれば、保険証としての機能を果たすことができます。2023年4月9日時点でのマイナンバーカードの保険証利用登録件数は57,086,000件です。

(出典:厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用について」/https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08277.html

デジタル庁と厚生労働省はマイナ保険証の普及を推進し、医療保険事務の効率化や医療サービスの向上を目指しています。現行の健康保険証は2024年秋に原則廃止となり、マイナ保険証へ一本化される予定です。医療機関も2023年4月から、マイナ保険証用カードリーダーの導入、および運用の開始が義務付けられています。

なお、利用者のマイナンバーカードの取得やマイナ保険証への切り替えは任意であり、義務化はされていません。マイナ保険証の利用には、医療機関での手続きが効率化されるなど、多くのメリットが期待されています。今後の動向に注目し、自身のニーズに合わせて適切なタイミングで申請しましょう。

 

2. マイナンバーカードを健康保険証として利用するメリット6つ

 

従来の健康保険証からマイナ保険証に切り替えると、医療機関での手続きや引越し等による各種切り替え、高額療養費制度の手続きも簡略化できるようになります。また、e-Tax連携による医療費控除申請の自動化や初診時の負担軽減、マイナポータルからの情報確認なども便利です。

ここでは、マイナンバーカードを健康保険証として利用する6つのメリットを解説します。

2-1. 医療機関での手続きが自動化される

マイナ保険証を利用するメリットの1つは、医療機関での手続きが自動化されることです。

受付時に患者がマイナンバーカードを窓口に設置されたカードリーダーにかざすことで、本人確認と健康保険の内容が非接触で素早く行われます。顔認証付きカードリーダーの場合、顔認証や4桁の暗証番号入力により本人確認ができるほか、窓口職員の目視も可能です。

汎用カードリーダーの場合は、暗証番号入力や窓口職員の目視によって本人確認が行われます。また、一部検診の結果や副薬歴のデータの共有も簡略化されます。受付の対応が効率化し、素早く終わる点は医療機関側・患者側双方にとって大きなメリットと言えるでしょう。

2-2. 引越し等による各種切り替え手続きが簡易化される

従来の健康保険証では、加入手続きの完了後に保険証の発行が行われるため、新たな保険証の受け取りには数日以上のブランクが発生します。そのため、切り替えのタイミングによっては、急病時や通院日に新しい保険証が届かないケースもありました。

マイナ保険証の場合、加入保険の切り替え手続きさえしてしまえば、手元のカードをそのまま利用することが可能です。就職や転職、引越し時の住所変更による再発行手続き、国民健康保険の更新手続き、高齢受給者証の提示も不要となります。

2-3. 高額療養費制度の手続きが簡易化される

高額療養費制度の利用が簡単になり、患者の手続き負担が軽減されることも、マイナ保険証のメリットに挙げられます。通常は、病院や薬局で支払う医療費が1か月の上限額を超えた場合に限度額適用認定証の申請が必要です。

しかし、マイナ保険証が利用できる医療機関では、限度額適用認定証が不要になります。マイナ保険証を提示し情報提供に同意すれば、限度額を超える分の支払いが必要ありません。緊急時に高額な費用を一時的に支払う必要がなくなり、手続きの負担も軽減される、患者にとって大変便利な制度となっています。

2-4. e-Tax連携で医療費控除の入力が自動化される

マイナ保険証の利用により、医療費控除申請の手続きが簡単になります。通常、確定申告で医療費控除を受けるためには、自分でその年にかかった医療費の総額を計算し、申告書に記載しなければなりません。

しかし、マイナポータル上には受診履歴が記録されており、医療費はもちろん、診療を受けた医療機関や日時など申告に必要な情報もオンラインで管理できます。e-Taxと紐付けすれば、確定申告書に自動で医療費が計算・記入されるため、医療費控除の手続きがスムーズに進むでしょう。

2-5. 初診時の窓口負担が軽減化される

初診時の負担軽減も、マイナ保険証を利用するメリットです。2022年10月に改定されたマイナ保険証による窓口負担額は、現行の健康保険証利用時に比べて大幅に軽くなりました。さらなるマイナ保険証の利用促進に向け、2023年4月~12月までの点数改定も実施されます。

医療費3割負担の場合、現行の健康保険証利用時は初診時12円(4点)となりますが、2023年4月~12月に限り初診時は18円(6点)、再診時は6円(2点)です。一方、マイナ保険証利用時は初診時6円(2点)、再診時の加算はありません。

2-6. マイナポータルから各種情報を簡単に確認できる

マイナ保険証を利用することで、医療情報の取り扱いがより効率的で簡単になり、患者が自身の健康状態に関する情報を確認しやすくなります。マイナポータルは、医療機関での診療情報や薬局で処方された薬の情報を一元管理・確認できる便利なオンラインサービスです。


2020年度分からは、過去5年分(直近5回分)の特定健診情報も閲覧可能となりました。電子版お薬手帳と連携すれば、処方された薬の履歴や使用方法などの情報管理・参照も手軽です。自分自身の疾患リスクや生活習慣病の予防につながる情報を入手しやすい点は、マイナ保険証のメリットと言えるでしょう。

 

3. マイナンバーカードを健康保険証として利用する際の注意点

マイナンバーカードを健康保険証として利用する際には、下記2点に注意が必要です。

注意点(1)利用できる医療機関が少ない

病院や薬局でマイナ保険証を利用するためには、あらかじめ医療機関側が設備を整えておかなければなりません。2023年4月からシステム導入が原則義務化されたものの、2023年4月2日時点でマイナ保険証の運用を開始した医療機関は、全体の67.3%にとどまります。通院先がマイナ保険証を利用可能かどうか、事前に調べておくとよいでしょう。

注意点(2)マイナ保険証の紛失時は再発行までに期間を要する

マイナンバーカードの紛失時には、マイナ保険証も利用できなくなります。再発行までには最大2か月程度かかる場合もあり、注意が必要です。最長でも10日程度への短縮が検討されていますが、具体的な対応時期や詳細については未だ発表されていません。また、紛失中の受診方法に関する詳細もまだ発表されていないため、なるべくなくさないように保管しておきましょう。

 

4. 【Q&A】マイナンバーカードの健康保険証利用に関するよくある質問


マイナ保険証に関して多い質問は、以下の2点が挙げられます。

Q1.マイナ保険証はどうやって申請する?

マイナンバーカードを所有していない方は、まずカードの作成手続きが必要です。交付申請書や個人番号通知書があれば、スマートフォン・パソコン・証明用写真機・郵送で申請できます。

保険証の利用申し込みはマイナポータルから行えますが、マイナンバーカード読み取り対応のスマートフォンかICカードリーダーが必要です。また、セブン銀行ATMからも申請できます。詳細はマイナポータルや厚生労働省のホームページで確認してください。

Q2.マイナ保険証利用に対応した医療機関・薬局はどうやって調べる?

「マイナ受付」のステッカーやポスターが貼られている病院や薬局で、マイナ保険証が利用できます。また、厚生労働省のホームページでは対応医療機関のリストが公開中です。

まとめ

マイナンバーカードを健康保険証として使用することで、得られるメリットは少なくありません。医療や保険に関する手続きが簡素化され、医療費控除の申請が容易になり、窓口負担が軽減されます。また、マイナポータルで各種情報が一元管理・確認できる点も便利です。

ただし、利用できる医療機関が限られており、カードの紛失時には再発行に期間がかかるという注意点もあります。対応医療機関は厚生労働省のホームページで調べられるため、事前にチェックしてから赴くとよいでしょう。





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