「線虫がん検査」とは、線虫を利用して早期がんを見つけ出すがん検査です。
近年注目されるようになったがん検査方法のため、言葉は聞いたことがあっても内容までは詳しく知らないという方も多いでしょう。
そこで今回は、線虫がん検査の概要から具体的なメリットと注意点、さらに検査の受け方・流れまでを徹底解説します。線虫がん検査について知りたい方はもちろん、身体の健康を維持し続けたいという方もぜひ参考にしてください。
1. 線虫がん検査とは?
線虫がん検査「N-NOSE」とは、嗅覚に優れた線虫を使用してがん細胞の有無を明確にする検査です。採尿をするだけで簡単にがん検査ができるという手軽さから、近年注目を集めています。
線虫がん検査で重要となるのが、「線虫」の存在です。線虫とは線形状の動物の総称で、体長は0.3〜1mmしかありません。
なお、線虫とひとくちに言っても、良い線虫と悪い線虫があり、場合によっては農作物に悪影響を与えてしまうため、作物を育てる農家からは嫌われている一面もあります。
そんな線虫を使ったがん検査「N-NOSE」では、下記15種類のがん細胞の反応が確認されています。
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また、判別性能を示す指標「AUC(Area Under the Curve)」において、N-NOSEは高評価です。線虫がん検査は、ほぼ全身の早期がん発見に寄与できる検査方法と言えるでしょう。
2. 線虫がん検査のメリット
線虫がん検査には、いくつかのメリットがあります。
魅力的なポイントが多いことから、「今までがん検診を受けたことがなかったけど、やってみようかな」と前向きに受検を検討するようになった方も多くいます。
では、具体的にどういったメリットがあるのでしょうか。ここからは、線虫がん検査の3つのメリットを詳しく紹介します。
2-1. 身体的負担なく簡単に検査できる
線虫がん検査には痛みを伴う検査がないため、身体的負担もありません。
線虫がん検査で必要なのは、受検者の尿のみです。一般的ながん検査のように注射をしたり、胃や腸に内視鏡を入れたりする必要がないため、痛みに弱い方も安心して受検できるでしょう。
さらに、基本的ながん検査に必要な注射や胃カメラの痛みに関する不安も抱かなくて済むため、精神的負担も減らせます。
2-2. ステージ0・ステージ1の早期がんも検知できる
線虫は微細ながん細胞にも反応するため、ステージ0やステージ1といった早期がんも発見可能です。
精度も高めで、解析データの性能を評価する「AUC」において、線虫がん検査は0.867の数値を出しています。
AUC数値は0から1までとなっており、1に近ければ近いほど高精度と言われています。0.8以上の線虫がん検査は、非常に性能の優れたがん検査と言っても過言ではありません。
2-3. 比較的安価である
線虫がん検査の費用は、13,800円(税込)からとなっており、検査費用を安く抑えることが可能です。
参考までに、一般的な全身総合がん検査の平均価格は、男性が約225,000円、女性が約241,000円となっています。
線虫がん検査であれば、約1/10以下の費用で全身のがんを調べられるため、気軽に検討できる点が魅力です。
3. 線虫がん検査の注意点
高精度でありながら手軽に検査ができる点で、線虫がん検査は非常に優れたがん検査方法です。
しかし、線虫がん検査にもいくつか注意点があります。受検してから後悔しないように、事前にデメリットについても理解を深めておきましょう。
3-1. あくまでも「リスク」を判定するものである
線虫がん検査は、「がんかもしれない」というリスクを判定するものであり、がんを確定するものではありません。
それでも線虫がん検査によって高リスクと判定されてしまえば、何らかの行動をとらなければ検査を受けた意味がなくなってしまうため、精神的負担を負うことにつながります。
また、線虫がん検査ではがん細胞の反応が見られても、実際に精密検査を受けると問題なかったというケースも決して珍しくありません。手軽に検査ができる反面、このように精密検査で確実な結果が判明するまでには必要以上の不安を抱えてしまう可能性がある点にも注意が必要です。
実際に症状が発生しており、がんの可能性が高いと認識している場合や、無駄な心配をしたくないという方は、線虫がん検査のN-NOSEではなく、最初から高精度のPET-CTを受けた方がおすすめです。
3-2. 偽陽性反応が出る可能性もある
残念ながら、高精度と言われている線虫がん検査であっても偽陽性が出る可能性があります。
実際はがんではないにもかかわらず、偽陽性が出たことで精密検査を受けることになれば、何のために低コストの線虫がん検査を受けたか分からなくなってしまうでしょう。
さらに、偽陽性によって必要のない精密検査を受けたり、余計な精密検査によって合併症が引き起こされたりするリスクもゼロではありません。
4. 線虫がん検査「N-NOSE」の受け方・流れ
線虫がん検査は高精度と言っても、100%がんかどうかを判断できる検査ではありません。
しかし、身体面・コスト面の負担が小さく、一般的ながん検査よりも気軽に受検できることから、早期がんの発見にも寄与します。したがって、線虫がん検査は「健康状態を維持するための定期的ながん検査」として非常におすすめと言えるでしょう。
では、がん検査を受けたい場合はどうすれば良いのでしょうか。ここからは、線虫がん検査「N-NOSE」を受検するための手順を2つのパターンに分けて紹介します。
4-1. 検査キットを使用する場合
検査キットを使った線虫がん検査は、次の3ステップで実施することが基本です。
STEP1 | 検査キットを購入 |
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「N-NOSE」公式Webサイトから検査コースの申込・検査キットの購入をします。1回検査コースの費用は14,800円(税込)、定期検査コースにおける1回あたりの費用は13,800円(税込)です。 |
STEP2 | 提出予約・尿の提出 |
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公式Webサイトで受検登録をしてからログインし、尿の提出予約をします。尿の提出方法には、「指定場所へ提出する」と「集荷に来てもらう」の2種類があります。 指定場所に提出する場合は、専用の保冷バッグに尿を入れ、採尿してから4時間以内に提出します。集荷に来てもらう場合は尿を凍結保存し、指定日時に自宅へ訪れた集荷スタッフに渡します。 |
STEP2 | 検査結果を確認 |
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尿を提出してから約4~6週間後に結果が届きます。最初にマイページにて結果が通知され、その後7営業日以内に書面で検査結果が自宅に郵送されます。 |
4-2. 医療機関で受検する場合
線虫がん検査は、医療機関で受検することも可能です。医療機関での受け方や流れは、次の通りとなります。
STEP1 | 病院で申し込みをする |
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提携医療機関で「N-NOSE」の受検申し込みをします。窓口で説明を受け、同意書・申込書に記入後、受検料金を支払います。 |
STEP2 | 採尿する |
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医療機関スタッフの指示に従い、化粧室内で採尿します。 |
STEP2 | 検査結果を確認 |
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検査結果は、受検して約1ヶ月後に自宅へ郵送されます。書類を確認し、内容について気になることがある場合は受検した医療機関に相談すると良いでしょう。 |
4-3. 線虫がん検査によるがんリスク判定後の流れ
線虫がん検査の受検結果は、A~Eの5段階で判定されます。基本的に問題がないとされるのが「A・B・C」の3つで、高リスクとされるのが「D・E」の2つです。
どのような結果が出たかでその後の対処法が変わるため、受検前に確認をしておきましょう。
CASE1 | 判定結果が「A・B・C」いずれかの場合 |
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すぐに何かの治療を受ける必要はないため、定期的に「N-NOSE」を受検しながら健康維持を目指しましょう。 |
CASE2 | 判定結果が「D・E」いずれかの場合 |
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がん細胞がある可能性が高いため、五大がん検診や人間ドックを受けるのがおすすめです。診断の結果、がんがなければ定期的に「N-NOSE」を受検して健康維持を目指し、がんと診断されたら治療に進みます。 |
まとめ
線虫がん検査とは、線虫によってがん細胞リスクを判定できる検査です。身体面・コスト面での負担が少なく、早期がんも検知できるという点にメリットがあります。
しかし、線虫がん検査はがんを確定する検査ではありません。「線虫がん検査によってがんリスクが見つかってしまったら」と思うと、今後の生活やお金のことなどが不安となり、精神的に疲弊してしまう方もいるでしょう。
将来的な健康面での不安を少しでも軽減させるためには、万が一のがんに備えて保険を検討しておくこともおすすめです。
生活クラブでは、保険や家計の見直しのほか、保険加入に関する手厚いサポートを提供しています。万一に備えた保険に加入したいと考えている方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。