幼稚園や保育園に通う年代の子どもを育てている方に、2023年に注意してほしい病気が「ヘルパンギーナ」「RSウイルス感染症」の2つです。

今年はこの2つの感染症が同時流行していて、小さい子どもを中心に感染リスクが高まっています。子どもを育てている方は2つの感染症を詳しく知り、対策も把握しておきましょう。

今回は、今年におけるヘルパンギーナとRSウイルス感染症の流行状況や、それぞれの病気の主な原因と症状、対策方法などを解説します。

目次

1.【2023年】ヘルパンギーナとRSウイルス感染症が同時流行!

2.そもそもヘルパンギーナ・RSウイルス感染症とは?

2-1.ヘルパンギーナの主な原因

2-2.RSウイルス感染症の主な原因

2-3.ヘルパンギーナの主な症状

2-4.RSウイルス感染症の主な症状

3.ヘルパンギーナとRSウイルス感染症の対策・予防方法

まとめ

1.【2023年】ヘルパンギーナとRSウイルス感染症が同時流行!

まずは、2023年におけるヘルパンギーナとRSウイルス感染症の流行状況を見てみましょう。

ヘルパンギーナは、例年では5月から感染の報告数が増加し始めて、7月にピークになり、8月以降は減少するという流行パターンを取っています。

2023年のヘルパンギーナは、4月から報告数が増加し始めて、5月あたりを境に報告数が急増しました7月はじめには感染が一度ピークに達したと見られ、7月中頃にかけては報告数が減少しています。

しかし、7月中頃の減少している報告数も、例年の同時期と比較してかなり多い数となっており、予断を許さない状況です。

(出典:国立感染症研究所「IDWR感染症週報(2023年第29週(7月17日〜7月23日))」/https://www.niid.go.jp/niid/images/idwr/pdf/latest.pdf

RSウイルス感染症は、例年では7月あたりから報告数が増加し始めて、9月にピークになり、10月以降は減少していくという流行パターンを取っています。

2023年のRSウイルス感染症は、4月から報告数が増加する傾向が見られました。5月からは報告数が急増し、7月はじめには感染が一度ピークに達したと見られます。

以降、7月中頃にかけては報告数が減少しているものの、例年の同時期と比較しても報告数はかなり多くなっています。

(出典:国立感染症研究所「IDWR感染症週報(2023年第29週(7月17日〜7月23日))」/https://www.niid.go.jp/niid/images/idwr/pdf/latest.pdf

以上のように、2023年のヘルパンギーナとRSウイルス感染症は似たような流行状況を辿っており、同時流行していると言える状況です。

2.そもそもヘルパンギーナ・RSウイルス感染症とは?

「ヘルパンギーナやRSウイルス感染症の名前はよく聞くけど、具体的にどのような病気か知らない」という方も多いでしょう。2つの感染症について簡単に解説します。

ヘルパンギーナとは、「発熱」「のどの粘膜に見られる水疱性の発疹」といった症状を特徴とする急性のウイルス性咽頭炎です。ヘルパンギーナという名前は、ドイツ語のヘルペス(水ぶくれ)とアンギーナ(のどの炎症)という2語の組み合わせとなっています。

ヘルパンギーナは、例年6月~8月にかけて乳幼児に流行する傾向があります。手足口病・咽頭結膜熱(プール熱)の2つと合わせて、「子どもの3大夏風邪」と呼ばれることもある病気です。

(出典:国立感染症研究所「ヘルパンギーナとは」/https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/515-herpangina.html

RSウイルス感染症とは、「細気管支炎」「肺炎」といった症状を特徴とする急性呼吸器感染症です。RSウイルス感染症のRSは、Respiratory(呼吸器)と Syncytial(合胞体・感染細胞に生じる変化に由来)の頭文字から取られています。 

RSウイルス感染症は、例年秋から冬にかけての流行があり、特に乳幼児が感染しやすい病気です。非常に感染力が強く、一度かかると治っても再感染することがあると言われています。

(出典:国立感染症研究所「RSウイルス感染症とは」https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/317-rs-intro.html

次項からは、それぞれの感染症の原因と症状を詳しく紹介します。

2-1.ヘルパンギーナの主な原因

ヘルパンギーナの主な原因は、エンテロウイルスの中でも「コクサッキーウイルスA群」に感染することです。なお、ヘルパンギーナの原因となるエンテロウイルスの型には、他にも「コクサッキーウイルスB群」や「エコーウイルス」などがあります。

ヘルパンギーナの感染経路は、主に下記の3つです。

経口(糞口)感染

糞便などで排出されたウイルスが、手指から口に入って感染する

接触感染

水ぶくれの内容物を含んだ液体に接触することで感染する

飛沫感染

ウイルスを含んだ唾液やくしゃみなどの飛沫から感染する


また、ヘルパンギーナは大人も感染することがある病気です。大人から子どもにうつす可能性もあるので、小さい子どもに接する機会が多い方は注意しましょう。

2-2.RSウイルス感染症の主な原因

RSウイルス感染症の原因は、感染症の名前にもなっている「RSウイルス」が気道に感染することです。

RSウイルスの感染経路としては、主に下記の2つが挙げられます。

接触感染

手指や物品に付着したウイルスが、粘膜や傷口に入って感染する

飛沫感染

咳やくしゃみなどの飛沫に含まれるウイルスから感染する


特に飛沫感染が多いと言われていて、咳やくしゃみだけではなく、会話をしたときに飛び散る唾液を吸い込むことでも感染します。

また、ヘルパンギーナと同様に、RSウイルス感染症も大人が感染することがある病気です。大人が感染した場合は風邪のような症状であり、RSウイルス感染症にかかったことに気付かず子どもに接して、感染を広げるケースもあります。

2-3.ヘルパンギーナの主な症状

ヘルパンギーナに感染すると、2~4日の潜伏期間を経た後に、突然の発熱が1~3日続きます。発熱したときに熱性けいれんなどを伴うケースもあります。

同時に、のどの痛み・水ぶくれが生じる点もヘルパンギーナの特徴です。口を開くとのどの奥が赤く腫れて、直径1~2mm程度の小さな水ぶくれが多く出現します。

水ぶくれは2~3日程度で破れて黄色い潰瘍が作られます。発熱の症状が終わってからやや遅れて、のどの水ぶくれも消失することが一般的です。

ヘルパンギーナの症状が出ると、食事や飲み物を口にする度にのどに強い痛みを感じます。食事や飲み物を受け付けず、脱水症状を起こす可能性もあります。

2-4.RSウイルス感染症の主な症状

RSウイルス感染症に感染すると、2~8日(典型的には4~6日)の潜伏期間を経た後に、鼻汁などの上気道症状や発熱が現れます。

RSウイルス感染症は、適切な治療を行えば通常で1~2週間で軽快する病気です。

ただし、2歳以下の子どもは上気道症状から下気道症状に進展して、細気管支炎や肺炎を発症するケースがあります。特に1歳未満の乳児や早産の新生児、免疫不全児、呼吸器・循環器に基礎疾患がある乳幼児などは重症化しやすい傾向があり、注意が必要です。

また、RSウイルス感染症を再感染した子どもについては、細気管支炎や肺炎などの下気道症状は起こりにくくなり、上気道症状が増える傾向にあります。

3.ヘルパンギーナとRSウイルス感染症の対策・予防方法

ヘルパンギーナとRSウイルス感染症は、いずれも感染力が強い感染症です。感染をなるべく防ぐには、以下で紹介する日常生活でできる対策・予防方法を実践しましょう。

●うがいをする

咳・くしゃみをしている人と話したときや、帰宅したときには、うがいをしましょう。うがいをすると飛沫感染のリスクを抑えられます。


●手洗いをきちんと行う

帰宅したときや、おもちゃ遊びをした後などに、手洗いをきちんと行いましょう。手洗いをすると経口感染・接触感染・飛沫感染のリスクを抑えられます。


●マスクをする

マスクは接触感染や飛沫感染のリスクを抑えられる対策です。自分や子どもの感染が疑われるときにも、マスクをすると周囲への感染の広がりを抑えられます。


ヘルパンギーナとRSウイルス感染症は、脱水症状や重症化などによる入院のリスクがあります。特に小さい子どもは要注意です。

万が一の事態に備えられるように、治療や入院時の金銭的な保障が得られる保険・共済への加入もおすすめです。

まとめ

2023年は、ヘルパンギーナとRSウイルス感染症が同時流行しています。

ヘルパンギーナは発熱とのどの痛み・水ぶくれの症状が現れる病気で、主な感染経路は経口感染・接触感染・飛沫感染です。RSウイルス感染症の症状は発熱・鼻汁や下気道症状で、主な感染経路には接触感染・飛沫感染があります。

いずれも感染力が強いため、うがい・手洗いなどの予防を実践したり、備えとしての保険・共済への加入を検討しましょう。子どもの感染症に備えられる保険・共済をお探しの方はこちらをご覧ください

災害は、いつ発生するものか分からないからこそ備えが必要です。災害による被害を最小限に抑えるためには、防災アプリのインストールも有効と言えるでしょう。

防災アプリとは、スマートフォンをはじめとしたモバイル端末で利用できる、災害情報や防災知識を提供するアプリケーションです。台風や地震をはじめとした災害やその他特別警報の発生時には、身を守るための情報を知らせてくれます。

しかし、防災アプリと一口に言っても、各企業からさまざまなアプリが配信されているため、どのアプリを選ぶべきか悩んでいる人もいるでしょう。

そこで今回は、防災アプリの選び方やおすすめのアプリを厳選して紹介します。それぞれの違いを理解し、自分に合った防災アプリを選びましょう。

目次

1. 防災アプリとは?

2. 災害情報をリアルタイムで把握!おすすめの防災アプリ7選

2-1. 特務機関NERV防災

2-2. NHK ニュース・防災

2-3. Yahoo!防災速報

2-4. 防災情報 全国避難所ガイド

2-5. NewsDigest

2-6. ココダヨ

2-7. 東京都防災アプリ

3. 防災アプリの選び方

まとめ

1. 防災アプリとは?

防災アプリとは、防災関連の情報を発信したり、災害時に緊急通知を鳴らしてくれたりといった機能を持つアプリのことです。

スマートフォンにインストールしておくことで、いつでも防災情報について調べられます。また、災害通知機能を備えている防災アプリであれば、地震・台風・火事・津波・土砂災害など、あらゆる災害の発生を素早く知ることが可能です。

防災アプリで防災知識を習得したり、災害発生時には最新情報をキャッチしたりすることで迅速な対処ができるようになり、自分や家族の命を守ることにもつながるでしょう。

なお、防災アプリで災害情報をキャッチするためには、スマホの通知設定を「オン」の状態にしておかなければなりません。デフォルトで通知がオンになっているとは限らないため、インストール後は通知をオンの状態に設定できているかどうかをしっかり確認しておきましょう。

2. 災害情報をリアルタイムで把握!おすすめの防災アプリ7選

防災アプリは、自分が使いやすいと感じるものを選ぶことが大切です。機能が充実していても使い方が分からなかったり、操作がシンプルでも発信されている防災情報が少なかったりすると、使い勝手が悪く満足に活用できないでしょう。

そこで次に、数ある防災アプリの中でもおすすめのものを厳選して7つ紹介します。各防災アプリの特徴を理解したうえで、求める機能が備わった使いやすい防災アプリを選びましょう。

2-1. 特務機関NERV防災

「特務機関NERV防災」は、ユーザーの現在地・登録地点に合わせて最適化した災害情報を知らせてくれるアプリです。

遠方で発生している災害について知らせるのではなく、ユーザー本人にどういった危険が迫っているのかを知らせてくれるため、適切な行動がとりやすくなるでしょう。

また、万人に情報を伝えられるように、特務機関NERV防災はアプリデザインにもこだわっています。特に、アプリ内テキストの書体や配色には視認性を高めるための工夫が施されており、スマホ操作に慣れていないお年寄りの方でも気軽に利用できるでしょう。

2-2. NHK ニュース・防災

「NHKニュース・防災」は、NHKが提供する防災アプリです。万が一災害に見舞われても適切な対処ができるよう、災害に関する最新情報をプッシュ通知で発信するだけでなく、災害時に役立つ情報のライブ配信も行っています。

NHK ニュース・防災では政府機関からの情報のみを提供するため、数ある防災アプリのなかでも情報の正確性は特に高いと言えるでしょう。

テキストでの情報に加え、ライブ配信などの動画コンテンツも掲載されているため、情報量の多さ・全体像の掴みやすさにも長けています。災害に関係しない最新ニュースも閲覧できるため、日常生活にも役立つでしょう。

2-3. Yahoo!防災速報

「Yahoo!防災速報」は、Yahoo!が提供する防災アプリです。津波・地震・豪雨といった自然災害はもちろん、熱中症情報・防犯情報・防災関連の訓練情報など、数多くの情報を得られることが特徴となっています。

災害関連情報は、気象庁や自治体といった信頼性の高い機関が提供したもののみキャッチするため、情報の精度は非常に高くなっています。加えて、「防災手帳」と呼ばれる機能が備わっており、ハザードマップや防災用品の確認も可能です。

また、Yahoo!防災速報のプッシュ通知で情報を受け取れるのは国内の3地点となっており、現在地のほか離れて暮らす家族や友人の居住地の情報も受け取れます。

2-4. 防災情報 全国避難所ガイド

「防災情報 全国避難所ガイド」は、全国10万件以上の避難場所をまとめた防災アプリです。現在地周辺の避難所を自動検索・ナビゲートしてくれるだけでなく、避難所まで無事に、かつ最短で到着できるようにコンパス機能も備わっています。

万が一災害に見舞われた際も、無事に避難するためのサポート機能が充実しているため、出張先や旅行先など、土地勘がない場所で災害に見舞われても安心です。

また、アプリ起動と同時に避難所と地図をダウンロード・保存するため、オフライン状態でも問題なく利用できます。災害によって万が一電波が届かなくなっても、避難所までしっかりとナビゲートしてくれます。

2-5. NewsDigest

「NewsDigest」は、速報に強みを持つアプリです。災害時は最新情報が重要となるため、情報発信のスピード感に優れた本アプリをインストールしておくと心強いでしょう。表示させたいニュースも自由にカスタマイズできるため、知りたい情報をスムーズにキャッチできます。

また、NewsDigestはポイント機能を搭載していることも特徴です。現在地の天気状況、停電・断水といったライフライン情報などを提供すれば、アプリ内ポイントが貯まります。貯まったポイントは、ギフト券などに交換することが可能です。

2-6. ココダヨ

「ココダヨ」は、災害警報が発信された際に家族の位置確認を自動的に共有できる防災アプリです。災害時は安否確認として、それ以外の時は見守りとしても使用でき、日常的に活躍します。

また、ココダヨでは家族用のチャット機能も搭載しており、伝言板のように使用することも可能です。家族と待ち合わせをしたり、家族の状況をリアルタイムで把握できたりするため、災害時の家族とのコミュニケーションに不安を感じている方には非常におすすめと言えるでしょう。

2-7. 東京都防災アプリ

「東京都防災アプリ」は、東京都が提供する防災アプリです。「あそぶ」「まなぶ」「つかう」がコンセプトとなっており、クイズやグッズ集めなどのゲームをしながら防災知識を学習できます。

また、安否連絡や位置情報を知らせる緊急ブザーなどさまざまな機能を搭載しており、普段使いから万が一の備えまで幅広く対応可能です。

ただし、東京都防災アプリは東京都のみに対応したアプリとなります。他地域でも、特定のエリアにのみ特化した防災アプリがあるため、在住地に合ったものを選びましょう。

3. 防災アプリの選び方

防災アプリを選ぶ際は、下記3つのポイントにチェックしておきましょう。

POINT(1)信頼性の高い情報がスピーディーに届くか

災害に見舞われた際、自分がどういった行動を取るかが命運を分けます。危険な場面でも正しい選択を行うためには、スピーディーに信頼性の高い最新情報を得ることが重要です。


例えば、国土交通省や大きなメディアが発表している情報は信頼性が高いため、こうした情報を素早く届けてくれる防災アプリを選ぶと良いでしょう。


防災アプリの中には、SNSの情報をもとに情報を届けてくれるものもあります。しかし、SNSは信憑性に欠ける部分もあるため、情報の出どころなどから信頼していい情報かどうかを自分で見極めることも必要です。

 

POINT(2)直感的に操作できるか

災害発生時は、スマートフォンを落ち着いて操作できない可能性もあります。そのため、どういった状況でも使えるような操作性に優れた防災アプリを選びましょう。


特に、子どもやお年寄りなど、スマートフォンをスムーズに操作するのが難しい方が使用する場合は、操作がシンプルで文字・アイコンが見やすいものをおすすめします。

 

POINT(3)万が一の事態に備えた機能が豊富か

防災アプリ選びでは、機能の充実性も大きなポイントとなります。機能が不十分な防災アプリを選んでしまうと「速報は届くけど避難場所が分からない」など、欲しい情報を得られない可能性があります。


具体的に、どういった防災機能があれば便利かは被災した時でないと分からないため、どのような状況でも対応できるような防災アプリ選びが大切です。

 

まとめ

防災アプリには、数多くの種類があります。機能が充実している防災アプリが多いため、災害への備えの1つとして役立つでしょう。

しかし、防災アプリは速報の通知や避難所の検索など、情報の提供までしかできません。被災による損害のサポートはできないため、万が一に備えるという意味で、防災アプリに加えて保険の検討も重要です。

生活クラブでは、家計・保険の見直しや保険加入のサポートなどを行っています。無料個人相談にも対応しているため、万が一に備えてきちんと準備したいと思っている方は、ぜひお気軽にこちらまでお問い合わせください

インフルエンザは一般的な風邪と比べて高熱が出やすく、頭痛や関節痛といった全身症状が出やすい感染症です。冬に流行のピークを迎えるケースが多いインフルエンザですが、今年(2023年)は季節外れのインフルエンザが流行していると言われています。

この記事では、インフルエンザとはどのような病気かをふまえた上で、2023年に流行している季節外れのインフルエンザと、流行の原因と考えられる背景について解説します。インフルエンザに感染した場合の対処法や、感染を予防するための方法も併せて確認し、インフルエンザへの対策を整えましょう。

目次

1. そもそも「インフルエンザ」とは?

2. 【2023年】季節外れのインフルエンザが流行中!

2-1. 考えられる主な原因は「免疫力の低下」

3. インフルエンザにかかってしまったときの対処法

4. インフルエンザにかからないための予防法

4-1. こまめな手洗い・うがいを心がける

4-2. マスクを着用する

4-3. 室内を定期的に換気する

4-4. バランスのよい食事と十分な睡眠を心がける

4-5. インフルエンザワクチンを接種する

まとめ

1. そもそも「インフルエンザ」とは?



「インフルエンザ」は、インフルエンザウイルスによって引き起こされる呼吸器感染症です。下記のように、一般的な風邪と比べて症状が重い場合が多いことに留意しましょう。

◆インフルエンザと一般的な風邪の比較

 

インフルエンザ

一般的な風邪

主な症状

  • 38℃以上の高熱
  • 頭痛、関節痛、筋肉痛など
  • 喉の痛み、鼻水、咳など
  • 強い倦怠感
  • 喉の痛み、鼻水、咳など
  • 発熱(熱が出ない場合もある)

症状が現れる部位

  • 全身(筋肉や関節など)
  • 局所(喉の痛みなど)
  • 局所的である場合が多い

発症のしかた

急激

比較的ゆっくり

流行の時期

冬(1~2月がピーク)

通年(ウイルスの種類による)


インフルエンザの主な感染経路は飛沫感染と接触感染であり、感染から1~4日程度の潜伏期間を経て発症します。

多くの方は1週間程度で症状が軽快しますが、重症化するリスクが高い方もいることに注意が必要です。高齢者や妊娠中の方、基礎疾患を持つ方では肺炎、乳幼児は肺炎に加えて急性脳症を併発するケースもあることに留意してください。

2. 【2023年】季節外れのインフルエンザが流行中!


日本における季節性インフルエンザの流行時期は、その年によって多少異なります。

しかし、多くの場合は11月下旬~12月下旬ごろから流行が始まり、翌年の1~2月ごろにピークを迎え、4~5月にかけて患者数が減少します。夏にインフルエンザに感染する場合もありますが、流行と言えるほどの患者数は発生しないケースがほとんどです。

このように、日本における季節性インフルエンザの主な流行時期は冬であり、夏にインフルエンザが流行することは一般的ではありません。しかし、今年(2023年)は7月時点において例年よりも季節性インフルエンザの発生数が多くなっており、季節外れのインフルエンザが流行している状況にあると言われています。

日本における今シーズン(2022-2023年)のインフルエンザの流行は、2022年12月からスタートしています。2023年2月にピークを迎え、3月下旬ごろには収束したように見えたものの、患者数が再び増加傾向を示すなど、例年とは異なる挙動を示しました。7月時点での患者数はピーク時よりも減少しましたが、例年よりも高い水準を維持しています。

また、地域によっては、インフルエンザ様の感染症による児童・生徒の集団感染による学級閉鎖や休校も発生しています。今後の感染状況や医療機関の状況によっては、さらに大きな流行となることも考えられるでしょう。

(出典:厚生労働省「インフルエンザの発生状況」/https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou.html

2-1. 考えられる主な原因は「免疫力の低下」


インフルエンザウイルスは、変異が頻繁に起こるウイルスです。毎年流行するタイプが異なるため、前年に感染した方が翌年もインフルエンザにかかるケースも少なくありません。その一方で、このような複数回の感染を経験することにより、インフルエンザウイルスに対抗する力を鍛えられるとも言われてきました。

しかし、2020年に始まった新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、この3年間は主に飛沫感染を想定した大規模な感染対策が行われてきました。

この感染対策はインフルエンザにも有効であったとされており、インフルエンザの大規模な流行も少ない状況が続いていました。つまり、インフルエンザへの免疫を獲得する機会が少ない状況であったとも言えます。

現在では、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に伴い、感染対策も緩和されています。インフルエンザに対する免疫力が低い状態の方が多い一方で、ウイルスへの感染機会は増加していることが、季節外れのインフルエンザの流行につながったと考えられます。

また、免疫力が低下している状態では、インフルエンザに感染しやすくなるだけでなく、重症化リスクも高まる恐れがあります。インフルエンザの感染予防を行いながら、自身の免疫力を高めるための対策を行うことも重要です。

3. インフルエンザにかかってしまったときの対処法


インフルエンザの場合、症状を緩和する内服薬に加えて、発症後48時間以内に抗ウイルス薬を服用することにより、症状の早期軽減につながると言われています。インフルエンザの発症が疑われる場合は、早めに医療機関を受診して適切な治療を受けるようにしてください。

自宅で療養する場合は十分な睡眠をとり、安静に過ごすことが大切です。室温・湿度を適切に保ち、水分補給をしっかり行いましょう。感染した方が無理のない範囲でマスクを着用したり、お世話をする方が手洗い・うがいを十分に行ったりすることで、感染拡大を防ぐことも重要です。

4 インフルエンザにかからないための予防法


インフルエンザは一般的な風邪よりも症状が重いケースが多く、乳幼児や高齢者などでは重症化するリスクもあります。インフルエンザが流行している時期には、インフルエンザ予防を十分に行って感染を防ぎましょう。

ここでは、インフルエンザにかからないための予防法を5つ紹介します。

4-1. こまめな手洗い・うがいを心がける


手洗い・うがいには、
手や喉など体の表面に付着したウイルスを洗い流したり、不活化させたりする効果があると言われています。帰宅後や食事の前など、こまめに手洗い・うがいを行いましょう。

手洗いでは、石けんを使用して指の間や爪の間、手首など、手の全体を念入りに擦り洗いし、流水で洗い流した後、清潔なタオル・ハンカチなどで水分をふき取ります。ポビドンヨード(イソジン)などの消毒液を用いてうがいをする際には、用法用量をよく読んで適切に使用しましょう。

4-2. マスクを着用する


インフルエンザウイルスの主な感染経路は飛沫感染であるため、マスクを着用することで感染リスクを抑えられると考えられます。インフルエンザウイルスへの感染が気になる方は、日常生活を送る上で無理のない範囲でマスクを着用するとよいでしょう。

特に、不特定多数の方で混雑している場所で、咳・くしゃみなどの症状がある方がいる場合はマスクの着用をおすすめします。暑い時期にマスクを着用する際には、熱中症などに十分注意してください。

4-3. 室内を定期的に換気する


部屋の空気が乾燥すると喉や鼻の粘膜も乾燥しやすくなり、ウイルスに対する体の防御機能が低下する恐れがあります。冷房・暖房などでエアコンを使用すると、室内の空気が乾燥しやすくなるため、定期的に換気して十分な湿度を保つようにしましょう。

また、定期的な換気は室内にいるウイルスを室外に出すことにもつながります。インフルエンザウイルスは紫外線によって不活化するため、ウイルスの数を減らすためにも十分に換気を行うことが大切です。

4-4. バランスのよい食事と十分な睡眠を心がける


体の免疫力が低下した状態では、インフルエンザなどの感染症にかかりやすく、重症化のリスクも高まると言われています。

自身の免疫力を高めるためにも、生活習慣を見直し、バランスのよい食事や十分な睡眠を心がけましょう。適度な運動を取り入れることや、ぬるめの湯にゆったり浸かって体を温めることも重要です。

4-5. インフルエンザワクチンを接種する


インフルエンザウイルスの感染が気になる方は、インフルエンザワクチンを接種することも検討しましょう。

日本で流通しているインフルエンザワクチンは、感染や発症を完全に防ぐことはできませんが、重症化リスクの低減に一定の効果があるとされています。高齢者は10月上旬、それ以外の方は10月下旬から接種できるため、医療機関と相談の上で接種のスケジュールを立てるようにしましょう。

まとめ


インフルエンザは通常冬に流行する感染症ですが、今年(2023年)は季節外れの流行を見せており、感染状況や医療機関の状況によっては、さらなる感染拡大も考えられます。

インフルエンザの疑いがある場合は早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。こまめな手洗い・うがいの実施や定期的な換気、生活習慣の見直しも重要です。

インフルエンザは1週間程度で症状が軽快するケースがほとんどですが、子どもや高齢者など重症化リスクの高い方もいます。重症化した場合は、入院での治療・療養が必要となることもあります。万が一の際に備えて、共済・保険に加入することも検討しましょう。

ニュースや天気予報などで「エルニーニョ現象」という言葉を見聞きしたことがある方も多いでしょう。エルニーニョ現象は、日本の気象にも大きな影響を及ぼします。

今年(2023年)も5月~6月にエルニーニョ現象が発生していることから、スーパーエルニーニョへの発達のリスクや日本への影響が気になる方もいるのではないでしょうか。

当記事では、エルニーニョ現象やラニーニャ現象が発達するしくみや日本への影響、2023年における天候の見通しについて解説します。ラニーニャ現象からエルニーニョ現象に急転することによる影響を過去の事例をふまえながら確認し、今後の備えに活かしましょう。

目次

1. エルニーニョ現象とは?発生のしくみ・主な影響

1-1. エルニーニョ現象とラニーニャ現象の違い

2. 【2023年5月~6月】日本でエルニーニョ現象が発生

2-1. 「スーパーエルニーニョ」に発達するおそれも

3. 日本における2023年7月~9月の天候見通し

3-1. 平年より高い気温が見込まれている原因は「ラニーニャ現象」にあり

4. ラニーニャ現象→エルニーニョ現象の急転によって考えられる影響

4-1. 大雨・豪雨による水災

4-2. 巨大台風

5. 大雨・豪雨・台風などの災害に備えるためには?

まとめ

1. エルニーニョ現象とは?発生のしくみ・主な影響



「エルニーニョ現象」とは、南米ペルー沖から太平洋の赤道海域(日付変更線付近)にかけての海面水温が平年より高い状態になり、1年程度継続する現象を指します。この現象は、クリスマス付近の12月ごろに発生するため、ペルーでは「エルニーニョ(スペイン語で「神様の男の子」)」と呼ばれるようになりました。

海面水温が高まるメカニズムはまだ解明されていませんが、エルニーニョ現象が発生すると、太平洋上に吹く東風(貿易風)が例年より弱まることが知られています。エルニーニョ現象は世界中の気象に影響を与えることを押さえておきましょう。

例えば貿易風が弱まることで、ペルー沖では栄養分豊富な深層水が海面付近に湧きあがらなくなるため、漁獲量の減少につながってしまいます。

雨を降らせる積乱雲が通常時よりも東に移ることにより、太平洋西側(オーストラリアなど)では大規模な干ばつや森林火災、農作物の不作などが発生することも珍しくありません。

また、エルニーニョ現象は日本の気象にも影響を及ぼします。エルニーニョ現象が発生した年には梅雨が長引く傾向があり、台風が減ったり冷夏になったりするケースがほとんどです。また、冬には西高東低の気圧配置が弱まり、暖冬になる傾向があります。

1-1. エルニーニョ現象とラニーニャ現象の違い


「ラニーニャ現象」とは、
南米ペルー沖から太平洋の赤道海域(日付変更線付近)にかけての海面水温が平年より低い状態になり、1年程度継続する現象を指します。「ラニーニャ」とはスペイン語で「女の子」を意味しており、名称・現象の内容ともに相対する存在と言えるでしょう。

ラニーニャ現象が発生すると、通常時よりも貿易風が強まります。その結果、太平洋西部の海面温度が上昇し、積乱雲などの雨雲が盛んに発生するようになるため、東南アジア、オーストラリアなどでの降水量が増加する傾向があります。

日本付近では夏は猛暑・冬は厳冬となりやすく、降水量が増加することから大雪が降る可能性があることに注意が必要です。

2. 【2023年5月〜6月】日本でエルニーニョ現象が発生


2023年6月9日、気象庁は2023年5月時点において、エルニーニョ現象が発生していると推定されることを発表しました。

エルニーニョ現象が夏季に発生するのは8年ぶりであり、気象庁は6月以降今秋にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高いと予想しています。

(出典:気象庁「エルニーニョ監視速報」/https://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/elnino/kanshi_joho/kanshi_joho1.html

2-1. 「スーパーエルニーニョ」に発達するおそれも


「スーパーエルニーニョ」とは、
エルニーニョ現象が発生する海域において、海面水温が基準値よりも1.5℃~3℃以上高くなる現象です。エルニーニョ現象は海面水温が基準値よりも0.5℃以上高い状態を指すことから、スーパーエルニーニョはエルニーニョ現象がさらに発達した現象であると言えるでしょう。

スーパーエルニーニョに発達した場合、海面水温の上昇による影響を受けて台風や豪雨をもたらす雨雲が頻繁に発生するおそれがあります。台風や雨雲は海面水温が高い海域を通過しながら勢力を増していくため、日本列島に上陸した場合は大規模な水害が発生することが考えられます。

3. 日本における2023年7月~9月の天候見通し


2023年は5月にエルニーニョ現象が発生したと発表されており、今後はより大規模なスーパーエルニーニョに発達する可能性も指摘されています。それでは、日本における2023年夏(7月~9月)の天候はどのような予測となっているのでしょうか。

◆日本の天候見通し(2023年7月~9月)

 平均気温(7月~9月)降水量(7月~9月)

北日本

日本海側

ほぼ平年並み

ほぼ平年並み

太平洋側

東日本

日本海側

平年並み または 高い

平年並み または 多い

太平洋側

西日本

日本海側

高い

平年並み または 多い

太平洋側

沖縄・奄美

高い

ほぼ平年並み

(出典:気象庁「向こう3か月の天候の見通し 全国 (07月~09月)」/https://www.data.jma.go.jp/cpd/longfcst/kaisetsu/?term=P3M

また、沖縄・奄美地方以外の地域では、7月は雨の日が多く、ときには大雨が降る可能性もあると予測されています。平年に比べて晴れの日が少なくなる可能性があることに注意しましょう。

3-1. 平年より高い気温が見込まれている原因は「ラニーニャ現象」にあり


エルニーニョ現象の発生時には、「冷夏・暖冬」となりやすい
と言われています。

しかし、気象庁の見通しによると、エルニーニョ現象が続くとされる2023年夏において、多くの地域で平年並みか平年よりも気温が高い状態になるとされています。これは、2020年9月に発生し、2022年~2023年の冬まで続いた「ラニーニャ現象」の影響によるものです。

ラニーニャ現象が発生すると、日本では「猛暑・厳冬」になりやすい傾向があります。

しかし、2023年の夏は、2022年~2023年の冬まで続いたラニーニャ現象による影響がまだ残っていると推定されています。エルニーニョ現象でよく見られる「冷夏」の状態にはならない可能性が高いと考えられるでしょう。

4 ラニーニャ現象→エルニーニョ現象の急転によって考えられる影響


半年ほどという短い期間で「ラニーニャ現象」から「エルニーニョ現象」に急転した年は珍しく、例年とは異なる気象状況が発生することが懸念されています。

ラニーニャ現象からエルニーニョ現象への急転が見られた例として2018年の夏が挙げられますが、この時期は全国的に大雨・豪雨や巨大台風による被害の多い年でもありました。

2023年も2018年と同様の影響があるとは断言できませんが、起こり得る災害に対して備えるためにも、過去の事例を知り、考えられる影響や災害について知ることが大切です。ここでは、2018年夏に起こった気象による影響や大規模な災害の例を2つ紹介します。

4-1. 大雨・豪雨による水災

2018年(平成30年)7月、西日本を中心とする広い範囲で、長時間の降水量が観測史上1位を更新するほどの記録的な大雨が降りました。その結果、河川の氾濫やがけ崩れなどが、西日本を中心として広い範囲かつ同時多発的に発生し、下記のような甚大な被害が発生しています。

◆平成30年7月豪雨(西日本豪雨)による被害

  • 死者…223名
  • 行方不明者…8名
  • 家屋の全半壊など…20,663棟
  • 家屋浸水…29,766棟

(出典:国土交通省「1.平成30年7月豪雨災害の概要と被害の特徴」/https://www.mlit.go.jp/river/shinngikai_blog/hazard_risk/dai01kai/dai01kai_siryou2-1.pdf

4-2. 巨大台風


2018年(平成30年)9月、非常に強い勢力で徳島県南部に上陸した台風第21号は、四国地方や近畿地方を中心に甚大な被害を出しながら近畿地方を縦断し、日本海を北上しました。

台風第21号は猛烈な雨と過去最高レベルの高潮をもたらし、大阪府や兵庫県では広い範囲で浸水害が発生しました。また、暴風や高潮の影響により、関西国際空港の滑走路の浸水、鉄道の運休や航空機・船舶の欠航、断水・停電といったライフラインの被害も発生しています。

◆平成30年第21号台風による被害

  • 死者…14名
  • 重症者…46名
  • 家屋被害…8万棟以上

(出典:内閣府「令和元年版 防災白書|特集 第1章 第1節 1-3 平成30年台風第21号による災害/https://www.bousai.go.jp/kaigirep/hakusho/h31/honbun/0b_1s_01_03.html

(出典:消防庁「平成30年台風第21号による被害及び消防機関等の対応状況(第10報)」/https://www.fdma.go.jp/disaster/info/items/40fa100bdc7b7db0e896733faa88c208d8b032ee.pdf

(出典:気象庁 大阪管区気象台「平成30年(2018年)台風第21号(記録的な暴風・高潮)/https://www.jma-net.go.jp/osaka/kikou/kakojirei/kakojirei_2018_t1821.pdf

5 大雨・豪雨・台風などの災害に備えるためには?


2023年の夏は、ラニーニャ現象からエルニーニョ現象への急転により、大雨・豪雨、台風などの災害が発生するリスクが高い
と考えられます。これらの災害に備えるためにも、防災対策を早めに行うことが大切です。

◆自分でできる災害対策(大雨・豪雨・台風)

  • ハザードマップで危険な箇所や避難場所、避難経路などを事前に確認する
  • 屋外のもので風で飛ばされそうなものは屋内にしまったり、固定したりする
  • 雨戸・網戸を補強・固定する
  • 自動車のガソリンを満タンにしておく
  • 食料やラジオ、懐中電灯などの非常用品・非常用持ち出し袋を準備する
  • 水を確保する
  • スマートフォンやパソコン、モバイルバッテリーなどをフル充電しておく


また、台風や豪雨によって被害を受けた場合、火災保険などの各種保険の補償を受けられる場合もあります。万が一の際に備えて、共済や保険に加入することも検討しましょう。

まとめ

「エルニーニョ現象」は南米ペルー沖の海面水温が平年より高くなる現象であり、気象庁は2023年5月にエルニーニョ現象が発生したと発表しています。2023年の夏はラニーニャ現象からエルニーニョ現象へと急転しているため、冷夏とはならず、猛暑かつ台風・豪雨などの災害が多くなるおそれがあることに注意しましょう。

台風や豪雨に備えるためには、ハザードマップの確認や非常用品の点検、自宅まわりの危険箇所の点検などの事前準備が重要です。これらの対策に加えて、火災保険など災害による被害に対する補償が備わっている共済・保険への加入を検討している方は、ぜひ「生活クラブ共済連」にご相談ください。

現代は、小学生を超えるほぼすべての子どもが自分自身のスマホや自宅のパソコンからインターネットを利用し、Webサービスやアプリを活用する時代です。

(出典:内閣府「令和4年度青少年のインターネット利用環境実態調査(PDF版)」

インターネットの脅威から子どもを守るためには、最新ツールに関する知識を親が持ち、正しい利用を促すことが必要でしょう。

当記事では最新ツールの中でも注目度が高い「ChatGPT」の子どもに対する影響を紹介します。ChatGPTに関する基礎知識を習得し、安全に利用させる方法を考えたい人はぜひ参考にしてください。

目次

1. そもそも「ChatGPT」とは?

1-1. ChatGPTでできること

2. 子どものChatGPT利用における「良い点」3つ

2-1. スムーズな情報収集が行える

2-2. 学校での勉強の「手助け」を受けられる

2-3. 人工知能(AI)のしくみやアルゴリズムに興味をもてる

3. 子どものChatGPT利用における「注意点」3つ

3-1. すべての情報が正しいとは限らない

3-2. 子どもの思考力が奪われる可能性がある

3-3. 個人情報が流出する可能性も0ではない

4. ChatGPTと子どもとの付き合わせ方

まとめ

1. そもそも「ChatGPT」とは?


ChatGPTとは、人間のように自然な会話を行える、最新の対話型AIです。AIとは多くの場合、人間の知能と同様のプロセスでルールを学習したり、回答を導いたりするプログラムを意味します。

(出典:総務省「人工知能(AI:エーアイ)のしくみ」/https://www.soumu.go.jp/hakusho-kids/use/economy/economy_06.html

ChatGPTは2022年に登場してまもなく革新的なサービスとして注目を集め、公開から数か月でユーザー数1億人を突破しました。

1-1. ChatGPTでできること

ChatGPTはインターネット上にある過去の情報を学習し、さまざまな事柄を行ってくれます。以下は、ChatGPTでできることの一例です。

●自然な会話

文章を入力してChatGPTに話し掛けると、人間が対応しているかのように自然な会話を楽しむことが可能です。例えば、人間関係や職場の悩みをChatGPTに相談すると自然な言葉で、考えられる解決策を教えてくれます。

●表作成

ChatGPTは文章形式で羅列されたデータを整理して、表を作成することも可能です。さらに、ChatGPTには、「作成した表のデータから平均値を計算する」などの集計作業も依頼できます。

●翻訳

ChatGPTは現状でも100以上の言語に対応しており、精度の高い翻訳を行ってくれます。例えば、日本語の文章を入力して英語やフランス語への翻訳を依頼すると、自然な訳文が表示されます。

●文章の校正

作成した文章をChatGPTに入力して校正を依頼すると、文法の誤りや誤字脱字などを確認して、修正案を教えてくれます。

●文章の要約

ChatGPTに長文を入力して要約を依頼すれば要点のみを抽出し、数100文字程度の文章にまとめてくれます。情報収集したいものの長文を読む時間がない時にChatGPTに要約を依頼すれば、効率的な作業が可能です。

●プログラムの自動生成

希望するプログラミング言語と必要な機能を指定してプログラミングを依頼すると、自動でコードが作成されます。また、ChatGPTに自分自身が作成したコードを入力し、エラーチェックを依頼すると、問題箇所の指摘や修正案の提案を受けることが可能です。

●アイデア出し

ChatGPTは事前学習した膨大なデータをもとに、アイデア出しも行ってくれます。例えば新商品のアイデアが思い浮かばない時、ChatGPTに相談すると、良いヒントをもらえるでしょう。


2. 子どものChatGPT利用における「良い点」3つ


ChatGPTが登場して間もない時期には教育現場で、利用を禁止する動きもありました。しかし、直近では、教育をより良いものにしてくれる存在としてChatGPTに注目する教師も少なからずいる状態です。

ここからは、子どもがChatGPTを利用する主なメリットを紹介します。

2-1. スムーズな情報収集が行える


ChatGPTはインターネット上に公開された膨大なデータを学習しており、質問に対する回答を瞬時に生成してくれます。つまり、子どもが知りたいことをChatGPTに質問すれば瞬時に、ピンポイントの回答を受けることが可能です。

検索エンジンを利用する方法で情報収集する場合、さまざまなページを閲覧する中で不正サイトへ誘導され、個人情報の漏洩などの被害を受けるリスクがあります。ChatGPTのみで情報収集を行えば、そのリスクの回避が可能です。

2-2. 学校での勉強の「手助け」を受けられる

ChatGPTを利用すると、学校での勉強の手助けも受けられます。例えば、国語や英語では作成した文章の添削を受けるため、ChatGPTの利用が可能です。ChatGPTに算数の例題を生成してもらえば子ども自身が理解するまで何度でも演習し、一斉授業のフォローアップを行えるでしょう。

問題への解答そのものを教えてもらうわけではなく、勉強を手助けするツールとして活用できる点は、ChatGPTならではの魅力です。ChatGPTを有効に利用すれば、子ども自身は文章を考える作業に集中し、効率的に学習を進められます。

2-3. 人工知能(AI)のしくみやアルゴリズムに興味をもてる

ChatGPTに触れること自体が子どもにとって、AIの仕組みやアルゴリズムへの興味を育てるための良い機会です。ChatGPTの利用法を考える中で子どもは、新技術に触れた際の対応方法を学べます。

現在の子どもが大人になる頃にはよりChatGPTが普及し、ビジネス利用に避けられない時代が来る可能性も否めません。時代が変化した時にChatGPTを使いこなすスキルがなければ、職種の選択肢が狭まる可能性もあるでしょう。

もちろん、「今後どの程度、AIのビジネス利用が進むか」は、不確定な要素です。しかし、不確定な未来に備える意味でも子どものうちからChatGPTに触れて、使いこなせる人材への成長を促すメリットは大きいでしょう。

3. 子どものChatGPT利用における「注意点」3つ

子どものChatGPT利用には注意点がいくつかあり、教育現場への導入や安易に使用させることに対して、慎重な見解を示す専門家もいることは事実です。

以下では、ChatGPTを子どもに利用させる親が知っておきたいデメリットや注意点について紹介します。

3-1. すべての情報が正しいとは限らない

ChatGPTが質問に対応する際には学習した大量のデータを参考にして「最適」と考えられる情報や単語を選択し、表示する回答を導きます。インターネット上には誤った情報が公開されることもあるため、ChatGPTの回答が100%正しいとは限りません。子どもがChatGPTを過信して勉強すると、誤った情報を記憶するリスクがあります。

また、ChatGPTは最新の話題や地域性の高い話題への対応が苦手です。苦手分野に関する質問を行うと、誤った情報が提供されるリスクは高まります。

3-2. 子どもの思考力が奪われる可能性がある

子どもがChatGPTの利用法を覚えると、「宿題の解答を聞く」などの方法で悪用する可能性があります。その結果、自分自身で考えて問題を解く機会が減少すれば、思考力の低下を免れられません。

もちろん、ChatGPTを正しく利用すれば子ども自身は「考える」工程に集中でき、思考力をかえって伸ばせる可能性もあります。ただし、すべての子どもが大人の意図通りにChatGPTを利用するとは限らないため、注意しましょう。

3-3. 個人情報が流出する可能性も0ではない

ChatGPTはインターネット上に公開された情報のほか、利用者が入力した文章も学習し、AIの改善に役立てます。不用意にメールアドレス、氏名などの個人情報を入力するとChatGPTに学習されて、第三者へと開示されるリスクがあります。

ChatGPTには個人情報の開示を拒否する仕組みが採用されているものの、完璧とは言えません。悪意のある人が仕組みの抜け穴を付いた質問を行えば、個人情報を容易に取得されてしまう可能性もあります。

4. ChatGPTと子どもとの付き合わせ方


ChatGPTは子どもに対して良い効果を与える可能性がある一方、利用法を誤ると、悪影響にもなり得ます。子どもに利用させる際には事前に、ChatGPTは完璧なツールではないことを伝えましょう。そして、以下のようなルールを決めて、正しい利用を促すことが大切です。

  • 回答を鵜呑みにしない
  • 宿題の解答そのものを知る目的で使用しない
  • 個人情報を入力しない など


子どもの安全を守るためには定期的に親がChatGPTにログインして、利用状況をチェックする方法もあります。チェックによって問題が発覚した場合は子どもと再度話し合い、ルールの徹底を図りましょう。

まとめ

ChatGPTとは、世界的に注目されている最新の対話型AIです。子どもがChatGPTを正しく利用すれば、学校での勉強の手助けを受けられます。また、ChatGPTを利用すると質問に対してピンポイントの回答を受けられ、情報収集に掛ける時間の短縮も可能です。

ただし、ChatGPTの利用法を誤れば子どもにとってのデメリットにもなり得ます。子どもにChatGPTを利用させる場合には注意点を事前によく説明し、正しく使用できるようにサポートしましょう。

新型コロナウイルス感染症に罹患すると、回復後に後遺症が出ることがあります。自分や家族に罹患歴があり、後遺症への不安を感じている方は多いのではないでしょうか。

新型コロナウイルス感染症の後遺症はいくつかの事例が報告されています。後遺症が重い場合、日常生活に支障をきたすケースも少なくありません。

今回は新型コロナウイルス感染症の後遺症について、発症割合や主な症状などを解説します。後遺症かどうかを知るための相談先も紹介しているため、ぜひご一読ください。

目次

1. 新型コロナウイルス感染症の後遺症とは?

1-1. 新型コロナウイルス感染症による後遺症の発症割合

1-2. 後遺症の発症と年齢・既往歴・重症度の関係性

2. 新型コロナウイルス感染症における後遺症の主な種類

2-1. 呼吸器症状

2-2. 全身症状

2-3. 精神・神経症状

2-4. 消化器系・その他症状

3. 新型コロナ後遺症を克服するためには

4. 「新型コロナの後遺症かも」と思ったときの相談先

まとめ

 

1. 新型コロナウイルス感染症の後遺症とは?


新型コロナウイルス感染症の後遺症とは、新型コロナウイルス感染症に罹患・回復した後に見られる特定の症状のことです。

WHO(世界保健機関)は、新型コロナウイルス感染症における後遺症(罹患後症状)を下記の通りに定義しています。

新型コロナウイルスに罹患した人にみられ、少なくとも2カ月以上持続し、また、他の疾患による症状として説明がつかないもの(通常はCOVID-19の発症から3カ月経った時点にもみられる。)


(引用:東京都福祉保健局「後遺症」/https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/corona_portal/link/kouisyou.html 引用日2023/06/07)

新型コロナウイルス感染症の後遺症は、原因やメカニズムで未だに不明な点が多く、2023年現在は国内外の研究機関などで研究調査が続けられている状況です。

(出典:東京都福祉保健局「後遺症」/https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/corona_portal/link/kouisyou.html

(出典:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第2.0版)」/https://www.mhlw.go.jp/content/000952747.pdf

1-1. 新型コロナウイルス感染症による後遺症の発症割合

新型コロナウイルス感染症の後遺症は、罹患したすべての方が発症するわけではありません。

後遺症の発症割合については、海外での報告に基づく系統的レビューが行われています。

まず、45の報告(計9,751例)の系統的レビューでは、診断後の2か月、もしくは退院等から1か月が経過した患者の72.5%が、何らかの症状を訴えていました。

また、57の報告(計25万例)の系統的レビューでは、診断・退院後の6か月かそれ以上が経過した患者の54%が、何らかの症状を有していたとされています。

(出典:東京都福祉保健局「後遺症」/https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/corona_portal/link/kouisyou.html

新型コロナウイルス感染症による後遺症の発症割合は、50%を超える可能性があると言えます。

1-2. 後遺症の発症と年齢・既往歴・重症度の関係性

都立病院のコロナ後遺症相談窓口に寄せられた相談データから、後遺症の発症と年齢・既往歴・重症度の関係性を解説します。

なお、紹介するデータはオミクロン株における後遺症のものです。

【年齢】

10代

102人(5%)

20代

344人(17%)

30代

354人(17%)

40代

461人(23%)

50代

312人(15%)

60代

94人(5%)

70代以上

90人(4%)

未回答

258人(13%)


20代~50代の割合が多いものの、10代や60代・70代以上の方も後遺症を発症しています。

【既往歴】

何らかの既往歴あり

522人(26%)

既往歴なし

1,517人(74%)


後遺症を発症した方の多くは、既往歴がない方です。

【重症度】

軽症以下

1,974人(97%)

中等度以上

65人(3%)


コロナ発症時の重症度が軽症以下の方でも、後遺症を発症しています

総括すると、年齢・既往歴・重症度を問わず、罹患した方は誰でも後遺症の発症リスクがあると言えます。

(出典:東京都福祉保健局「後遺症」/https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/iryo/kansen/corona_portal/link/kouisyou.html

2. 新型コロナウイルス感染症における後遺症の主な種類

新型コロナウイルス感染症の後遺症には、いくつかの種類があります。主な症状の種類は、下記の4つです。

  • 呼吸器症状
  • 全身症状
  • 精神・神経症状
  • 消化器系・その他症状


ここからは、それぞれの種類について具体的な症状や、発症しやすい時期・改善が見られた時期などを解説します。

2-1. 呼吸器症状

後遺症の呼吸器症状では、下記のような症状が見られます。

  • 呼吸困難
  • 息苦しさ
  • せき
  • 咽頭痛
  • 胸痛 など


呼吸器症状の中でも、特に頻度の高い症状が「呼吸困難」「息苦しさ」「せき」です。

中等度以上の日本人を対象に行われた後遺症の実態調査によると、退院3か月後では呼吸困難感の症状が30.2%の方に認められました。せきの症状についても、退院3か月後で20%近くの方に認められています。

しかし、退院6か月後になると、呼吸困難感とせきの症状が認められる方は3か月時点の半分以下となっています。退院12か月後には呼吸困難感が6.0%、せきが5.0%にまで低減しました。

後遺症の呼吸器症状は、時間経過とともに改善が見られる傾向にあると言えます。

(出典:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第2.0版)」/https://www.mhlw.go.jp/content/000952747.pdf

2-2. 全身症状

後遺症の全身症状とは、主に下記のような症状のことです。

  • 頭痛
  • 筋力低下
  • 倦怠感
  • 関節痛
  • しびれ
  • 脱毛 など


全身症状の中でも、特に頻度の高い症状が「筋力低下」「倦怠感」です。

中等度以上の日本人を対象に行われた後遺症の実態調査では、退院3か月後に筋力低下の症状が50.1%の方に認められました。筋力低下の症状は時間経過とともに改善する傾向が見られるものの、12か月後も9.3%の方に症状が認められており、症状の残存が懸念されます。

倦怠感については、退院3か月後に25.6%の方に認められるものの、12か月後には4.9%にまで低減しています。しかし、後遺症の倦怠感は持続・悪化し得ると言われており、注意が必要です。

(出典:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第2.0版)」/https://www.mhlw.go.jp/content/000952747.pdf

2-3. 精神・神経症状

後遺症の精神・神経症状では、下記のような症状が報告されています。

  • 集中力の低下
  • 抑うつ
  • 睡眠障害
  • 記憶障害 など


中等度以上の日本人を対象に行われた後遺症の実態調査では、退院3か月後で睡眠障害の症状は20%以上、思考力低下は15%以上の方に認められました。2つの症状のうち、思考力低下については退院12か月後に5.3%まで低減しています。

一方で、睡眠障害の症状については退院6か月後で10%程度に低減したのち、12か月後に至っても10%程度で留まっていました。睡眠障害は、他種類の後遺症によっても引き起こされる可能性があり、改善が難しい症状であると言えます。

(出典:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第2.0版)」/https://www.mhlw.go.jp/content/000952747.pdf

2-4. 消化器系・その他症状

後遺症の消化器系・その他症状は、主に下記のような症状です。

  • 下痢
  • 腹痛
  • 味覚障害
  • 嗅覚障害 など


特に、「味覚障害」「嗅覚障害」の2つは新型コロナウイルス感染症の特徴的な症状
と言われており、後遺症としても症状が持続することがあります。

後遺症における味覚障害・嗅覚障害は、多くのケースで早期に改善が見られる点が特徴です。

しかし、数%の患者は回復から数か月、あるいは1年以上にわたって症状が持続しています。味覚障害・嗅覚障害の後遺症についての研究によると、6か月後に味覚障害を認めた例は6%、嗅覚障害を認めた例は12%であり、1年後の残存例はそれぞれ4%・7%でした。

異味症や異嗅症が認められるケースもあり、味覚障害・嗅覚障害は注意すべき症状と言えます。

(出典:厚生労働省「新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント(第2.0版)」/https://www.mhlw.go.jp/content/000952747.pdf

3. 新型コロナ後遺症を克服するためには

新型コロナウイルス感染症の後遺症は、時間の経過とともに自然と改善するケースが多い点が特徴です。症状改善の過程では、症状ごとの「対症療法」や「リハビリテーション」が実施されることもあります。

対症療法とは、あらわれた症状に応じて行う治療法のことです。呼吸器症状の呼吸困難に対して行われる「在宅酸素療法」や、嗅覚障害に対する「点鼻薬や内服薬の処方」が対症療法の例です。対症療法は症状の根本的な治療ではなく、あらわれた症状を和らげたり改善したりすることを目的として行われます。

もう1つの後遺症のリハビリテーションは、専門家の意見をベースに、いくつかのガイドラインなども参考にして行われるものです。主に下記の症状が、リハビリテーションの実施対象となります。

  • 息切れ
  • 疲労感
  • 倦怠感
  • 筋力低下
  • 認知記憶障害 など


リハビリテーションには運動療法や日常生活指導があります。運動療法の例としては「歩行・ジョギング」「呼吸練習」「ストレッチ」「下肢筋力増強」などがあり、実施者の症状に合わせて行われます。

後遺症の改善には対症療法やリハビリテーションが効果的であるとされているものの、明確な治療法は確立されていません。場合によっては、後遺症の症状が数か月以上続く可能性もあります。

4. 「新型コロナの後遺症かも」と思ったときの相談先

自分や家族が「新型コロナウイルス感染症の後遺症かもしれない」と思ったときは、まずはかかりつけ医や身近な医療機関に相談しましょう。呼吸器症状がある場合は内科、精神・神経症状がある場合は心療内科というように、症状に合った医療機関を受診すると後遺症の診断や治療を受けられます。

また、かかりつけ医や身近な医療機関では対応が難しい場合は、自治体に相談することもおすすめです。

自治体によっては新型コロナウイルス感染症関連の相談窓口や、後遺症相談窓口を開設している場合があります。自治体の相談窓口を利用することで、後遺症の診療ができる医療機関を教えてもらえます。

まとめ

新型コロナウイルス感染症に罹患した場合は、回復後に後遺症があらわれるケースがあります。

呼吸困難・せきなどの「呼吸器症状」、筋力低下・倦怠感がある「全身症状」、「精神・神経症状」や「消化器系・その他症状」が主な症状です。後遺症は時間経過によって自然と改善する傾向があり、対症療法やリハビリテーションによって改善を早められる可能性もあります。

「後遺症の症状が出たかもしれない」と思ったときは、紹介した相談先を利用しましょう。万が一に備えて、保険や共済に加入しておくこともおすすめです。

家は多くの人にとって最もくつろげる大切な場所です。しかし、一戸建て住宅は他の住宅形態と比べて犯罪被害のリスクが高いと言えます。

一戸建て住宅に暮らす人にとって、自分や家族と財産を守るために、厳重な防犯対策は欠かせません。日々進化する犯罪の脅威に対して、しっかりと備えることは安心して生活を送るための重要な要素です。

当記事では、一戸建て住宅における防犯対策の重要性を解説した後、おすすめの防犯対策を8つ紹介します。一戸建て住宅が空き巣被害や狙われやすい理由や自宅の安全性を高める方法を知りたい方は、ぜひご一読ください。

目次

1. 一戸建て住宅に防犯対策が重要な理由

2. 【一戸建て住宅】導入すべき防犯対策8選

2-1. (1)高さのある塀・柵・鍵付き門扉をつける

2-2. (2)防犯ガラスや面格子窓を取り入れる

2-3. (3)防犯性の高いCPマーク付きの玄関ドアにする

2-4. (4)玄関ドアにディンプルキーやリモコンキーを採用する

2-5. (5)窓や玄関の近くに砂利を敷く

2-6. (6)玄関に人感センサーライトをつける

2-7. (7)防犯カメラを設置する

2-8. (8)ホームセキュリティに加入する

まとめ

 

1. 一戸建て住宅に防犯対策が重要な理由

一戸建て住宅は、空き巣被害に遭いやすいことが実情です。

令和4年度の日本における建物への侵入窃盗の認知件数は、全体で3万6,588件でした。そのうち、住宅が対象となった侵入窃盗は1万5,692件に上ります。これは、1日当たり約43件が被害に遭っているという驚くべき数字です。

住宅を対象とした侵入窃盗の発生場所別認知件数を見ても、一戸建て住宅が33.0%と最も多く、次いで3階建て以下の共同住宅が7.8%、4階建て以上の共同住宅が4.3%となっています。これらのデータからも、一戸建て住宅が圧倒的に侵入窃盗による被害に遭いやすいことは明らかです。

また、侵入窃盗の手口別認知件数では空き巣が最も多く、全体の約1/3を占めています。データを見ると、いかに一戸建て住宅が空き巣にとって狙いやすい対象であるかが分かるでしょう。

(出典:住まいる防犯110番「データで見る侵入犯罪の脅威」/https://www.npa.go.jp/safetylife/seianki26/theme_a/a_b_1.html

一戸建て住宅が空き巣に狙われやすい理由は、主に以下の3点にあります。

●防犯性が可視化されにくい

一戸建て住宅は、マンションなどと比べて防犯設備が外から見えにくいケースが少なくありません。例えば、セキュリティカメラや警報装置が設置されていても、外からははっきりと確認できないといった状況です。一見して防犯性の高さが認識できなければ、空き巣犯はリスクを感じにくくなり、侵入を試みる可能性が高まります。

 

●敷地内に入りやすい

基本的に、一戸建て住宅は公道との接地義務があるため、敷地のうち1か所は必ず道路とつながっています。また、フェンスや門があっても低い、あるいは庭が狭かったりなかったりするため、設置しないタイプの家も珍しくありません。そのため、門を開けるだけ・フェンスを乗り越えるだけ・隙間を抜けるだけで家の近くまで来られる、といった常態の家もあります。

 

●侵入しやすい高さの窓が多い

一戸建て住宅は、1階部分に窓が多く、侵入者にとって手の届く高さにある設計が大半です。窓からの偵察や侵入は空き巣犯にとって一般的な手段であり、窓が多い一戸建て住宅は、好都合な状態となっているケースが珍しくありません。例えば、窓ガラスを割って侵入する、窓をこじ開けて侵入するといった方法が考えられます。


以上の理由から、一戸建て住宅は空き巣被害に遭いやすいと言えます。空き巣リスクを減らすためには、
防犯対策をしっかりと行うことが重要です。

 

2. 【一戸建て住宅】導入すべき防犯対策8選

マンションなどに比べて空き巣に狙われやすい一戸建て住宅では、侵入を防ぐための対策が重要です。物理的な防犯対策と抑止効果のある対策の両方を取り入れることで、より安心な生活を送ることができるでしょう。

ここでは、自分や家族の安全を守るために導入しておきたい、一戸建て住宅におすすめの防犯対策8つを紹介します。

 

2-1. (1)高さのある塀・柵・鍵付き門扉をつける

一戸建て住宅の防犯対策において、敷地の周囲に高さのある塀や柵を設置し、門扉には鍵をつけることが重要です。

塀や柵に十分な高さを持たせることは、不審者の敷地内への侵入を難しくするだけでなく、住居内部への覗き見を防ぐ効果があります。ただし、視界を遮りすぎて死角が多くなると反対に犯罪を誘発する可能性もあるため、バランスが重要です。

また、鍵付きの門扉は、無理な侵入を防ぐだけでなく、門扉が閉まっていること自体が侵入者に対する抑止力となります。

2-2. (2)防犯ガラスや面格子窓を取り入れる

一戸建て住宅の窓に防犯ガラスや面格子を取り入れることは、防犯対策の一環として非常に有効です。特殊な加工を施してある防犯ガラスは通常のガラスよりも強度が高く、割れにくい特性を持っており、窓ガラスを割っての侵入を防ぐことができます。防犯フィルムを貼るのもよいでしょう。

一方面格子窓は、窓全体を覆う金属製の格子が物理的なバリアとなるため、窓ガラスが割られてもすぐには侵入できません。窓自体がさほど大きくなくてよい場合は、スリット窓を複数設置する方法もおすすめです。

2-3. (3)防犯性の高いCPマーク付きの玄関ドアにする

玄関ドアの厳重さは、空き巣が犯行を諦める要因となります。玄関ドアを選ぶ際は、防犯性の高いCPマーク付きの製品を選ぶとよいでしょう。CPマークは日本の防犯設備の品質を示すマークであり、このマークが付いているドアは、ピッキングに遭っても5分以上の時間を稼ぐことができます。

また、サムターン(つまみ型の鍵)回しも、空き巣が多用する侵入手段です。ドアの錠前部分を覆うサムターンカバーを付けることで、外から鍵に手が届かなくなり、サムターン回しによる鍵開けを防ぐことができます。

2-4. (4)玄関ドアにディンプルキーやリモコンキーを採用する

玄関ドアの鍵に、ディンプルキーやリモコンキーのような高度な鍵を採用することも、防犯対策として有効です。ディンプルキーは、ピッキングに強い特殊な形状を持つ鍵で、不正解錠を難しくします。

一方、リモコンキーは遠隔操作でドアを開閉できるため、物理的な鍵を使わずにドアを開け閉めすることが可能です。オートロックを設定できる製品も少なくありません。これにより、鍵を盗まれてコピーされる事態も防ぎやすくなります。

2-5. (5)窓や玄関の近くに砂利を敷く

一戸建て住宅の防犯対策として、窓や玄関の近くに音砂利や防犯砂利を敷くのも有効です。ほとんどの空き巣は、犯行中に大きな音を立てることを嫌がります。

砂利は歩くと特有の音を立てるため、空き巣が敷地内を静かに移動するのは困難です。そのため、砂利が敷いてあるだけでもその場所は侵入経路から外される可能性が高くなります。また、万が一空き巣が侵入しても、音によって早期察知が可能です。

2-6. (6)玄関に人感センサーライトをつける

玄関に人感センサーライトを設置することは、防犯対策の一環として効果的です。人感センサーライトは、人の動きを感知して自動的に点灯する機能を持っています。

夜間に不審者が敷地内に侵入した際は自動的にライトが点灯し、侵入者の存在を知らせることが可能です。空き巣は人の目を嫌うため、突然明るい光に照らされると、周囲に人気がなくても侵入を諦める傾向にあります。

2-7. (7)防犯カメラを設置する

一戸建て住宅の防犯対策として、空き巣から見える場所への防犯カメラ設置は非常に有効です。防犯カメラは敷地内の様子を24時間監視でき、不審者が侵入しても即座に察知し、警察に通報するなどの対応をしやすくなります。人感センサーライトと一体型の防犯カメラであれば、より効果的です。

防犯カメラの存在自体が侵入者に対する抑止力となる上、万が一の際も犯罪の証拠を残せます。あらゆる場所に設置して死角を完全になくすのが理想的ですが、予算的に難しい場合はダミーカメラを混ぜても効果が期待できるでしょう。


2-8. (8)ホームセキュリティに加入する

一戸建て住宅の安全性向上には、ホームセキュリティサービスへの加入も有効です。ホームセキュリティサービスは、侵入者の検知や緊急時の対応、24時間の監視など、幅広い防犯対策を提供します。

また、専門のオペレーターが常時監視を行っているため、異常が発生した際には迅速に対応することが可能です。さらに、ホームセキュリティサービスに加入により玄関周辺に貼られるステッカーも、侵入者に対する抑止力となります。

 

まとめ

一戸建て住宅は、立地や設計の特性上、他の住宅形態に比べて空き巣被害に遭いやすいという課題があります。しかし、適切な防犯対策を講じることで、そのリスクを大きく下げることが可能です。

高さのある塀や柵、防犯ガラスや面格子窓といった物理的な対策に加え、人感センサーライトや防犯カメラの設置といった抑止面での対策も実施しましょう。ただし、いかに厳重な守りを敷いても、確実に犯罪から逃れられるとは限りません。万が一被害に遭ったときに備えて、火災保険や火災共済へ加入しておくのもおすすめの対策です。

(内部リンク:火災共済とは?火災保険の違いは?・メリット&デメリットも徹底解説

小さなお子さんを育てている方の中には、「おたふく風邪」という病気を見聞きしたことがある方も多いでしょう。おたふく風邪の感染者は小さな子どもが多いと言われていますが、おたふく風邪とは一体どのような病気であり、どのような症状が見られるのでしょうか。

当記事では、おたふく風邪の概要や主な原因・感染経路をふまえた上で、主な症状や起こり得る合併症について解説します。おたふく風邪に感染した場合の治療法や対処法、おたふく風邪を予防するための方法も併せて確認し、おたふく風邪に対する備えを整えましょう。

目次

1. そもそも「おたふく風邪」とは?

2. おたふく風邪の主な原因・感染経路

3. おたふく風邪の主な症状

3-1. 起こり得る合併症について

4. おたふく風邪の治療法・対処法

5. おたふく風邪の予防法

まとめ

1. そもそも「おたふく風邪」とは?

「おたふく風邪」とは、正式名称を「流行性耳下腺炎」とする感染症であり、耳下腺の炎症による腫れや発熱が認められる病気のことです。左右両側の耳下腺が腫れた場合は「おたふくさん」のような外見的特徴を示すことから、「おたふく風邪」と呼ばれるようになりました。

おたふく風邪の感染は、特に保育園や幼稚園などで集団生活を送り始める時期の子どもに多く見られます。感染しても軽症で済むケースがほとんどですが、重症化すると合併症を引き起こす可能性もあるため注意しましょう。

2. おたふく風邪の主な原因・感染経路

おたふく風邪はウイルス性の感染症であり、「ムンプスウイルス」に感染することで発症します。

ムンプスウイルスは、パラミクソウイルス科に属する大きさ100~600nmほどのRNAウイルスです。遺伝情報を持つRNAをエンベロープ(殻のような構造体)が包んでいるような構造をしており、エンベロープには2種類のタンパク質が存在します。この2種類のタンパク質を抗原としてつくられた抗体が、感染から人体を守ると言われています。

おたふく風邪の原因となるムンプスウイルスの主な感染経路には、「飛沫感染」と「接触感染」の2つがあります。

【飛沫感染・接触感染について】

●飛沫感染

感染者の咳やくしゃみ、会話などによって、ウイルスを含む飛沫が周囲に飛散し、これを周囲の人々が口や鼻から吸い込むことで感染します。飛散したウイルスが目から体内に侵入するケースもあることに注意しましょう。

●接触感染

ウイルスが付着した手や、感染者が触ったものに接触した手で、口や鼻に触れることで感染が成立する経路です。感染者とのキスも接触感染に含まれます。


おたふく風邪は大人でもかかる場合もありますが、免疫力の低い子どものほうが感染リスクが高いと言われています。感染力が強く、保育園や幼稚園、学校といった集団生活の場で広がりやすいことも、子どもの感染者が多い理由の1つと言えるでしょう。

3. おたふく風邪の主な症状

ムンプスウイルスに感染しても、すぐにおたふく風邪の症状が出始めるわけではありません。感染から2~3週間程度の潜伏期間を経て、おたふく風邪の症状が現れ始めることを押さえておきましょう。

おたふく風邪の主な症状として、耳下腺や顎下腺、舌下腺といった唾液腺の腫れや発熱が挙げられます。時間差はあるものの、左右の両側が腫れるケースが多く見られます。口や喉の周りが腫れるため、飲食の際に痛みを感じることも珍しくありません。特に酸味のあるものや硬いものを飲み込む際は、痛みが強く出る傾向があります。

これらの症状は、発症後1~3日でピークを迎え、1~2週間程度で治まるケースがほとんどです。発症前日から3日後までの間は、特に周囲に感染させやすいことに注意しましょう。なお、感染しても明らかな症状が現れない「不顕性感染」の例も約30%あると言われています。不顕性感染の場合でも、周囲の人に感染させる恐れがあることに注意してください。

3-1. 起こり得る合併症について

おたふく風邪の主な症状は比較的軽症であるケースが多いものの、まれに深刻な合併症を引き起こす可能性もあります。おたふく風邪を発症している際に起こり得る代表的な合併症には、下記のような疾患が挙げられます。

【おたふく風邪で起こり得る主な合併症】

●無菌性髄膜炎

ムンプスウイルスが脳を包む髄膜に感染することで炎症が起こり、高熱や頭痛、嘔吐といった症状が続く病気です。高熱により、けいれんやせん妄が起こる場合もあるため注意しましょう。脱水症状を防ぐための点滴や、解熱剤・鎮痛薬の服用といった対症療法を受けることで、1~2週間ほどで軽快するケースがほとんどです。

●睾丸炎

ムンプスウイルスの感染により、男性の睾丸(精巣)が腫れる病気です。おたふく風邪に感染した男性の約20~25%で発症するとされており、特に10歳未満の子どもで多く発症していると言われています。

ムンプスウイルスの感染による睾丸炎は、片方の精巣にのみ症状が出る場合もあれば、両方の精巣に出る場合もあります。なお、睾丸炎による男性ホルモンへの影響はほぼありません。しかし、両方の精巣に腫れ・痛みといった症状が出た場合や、睾丸炎が思春期以降に発生した場合には、精子形成の能力に影響を及ぼす可能性があることに留意しましょう。

●卵巣炎

ムンプスウイルスの感染により、女性の子宮頚管や卵管・卵巣が炎症を起こし、場合によっては周囲の臓器との癒着や卵管の閉塞が起こる病気のことです。

不正出血や黄色の膿のようなおりものを伴うケースもあり、解熱後も月経痛や腹痛・腰痛などの症状が出現・悪化する恐れがあります。重症化した場合は、妊娠のしやすさにも影響が出る可能性もあることに注意してください。

●急性膵炎

ムンプスウイルスに感染した方の約4%で発症すると言われる疾患であり、腹痛や背部痛、発熱、嘔吐といった症状が見られます。重篤化すると意識障害やショック状態となる可能性があることにも注意しましょう。

●ムンプス難聴

感音性難聴ともよばれるムンプス難聴は、音の振動を受け取る蝸牛にムンプスウイルスが感染することで、聴力に影響が出る病気のことです。

ムンプス難聴を併発する頻度は、おたふく風邪感染者の1000人のうち1人(0.1%)であり、決して珍しい合併症ではありません。聴力の回復は非常に難しく、聴力の回復は非常に難しく、永続的な後遺症になり得ることを押さえておきましょう。

 

4. おたふく風邪の治療法・対処法

現段階では、おたふく風邪の原因となるムンプスウイルスに対する効果的な治療法・治療薬はありません。そのため、おたふく風邪にかかった場合は、症状に合わせた対症療法を行うことになります。

【おたふく風邪における主な対症療法】

症状

対症療法

発熱・痛み

  • 解熱剤や鎮痛剤などを服用して症状を和らげる
  • 家庭などで安静に過ごす

顔の腫れが気になる

  • 保冷材や冷却シートなどによる冷却を行う

水分が十分にとれない

  • 水やお茶、牛乳などの飲みやすい飲料をこまめに補給する
  • 脱水症状が心配な場合は、医療機関で点滴を行う

痛みで食事をとれない

  • 咀嚼回数が多くなる硬い食べ物は避ける
  • 酸味のある食べ物は、唾液の分泌を促進し、炎症のある唾液腺を刺激することになるので避ける
  • 刺激が少なく、のどごしの良いものを食べる

(例:ポタージュスープ、ゼリー飲料など)


おたふく風邪と診断された場合、上記のような対症療法を行いながら、自宅で安静に過ごすことが大切です。症状が悪化した場合や、なかなか軽快しない場合は、医療機関に相談するようにしましょう。

5. おたふく風邪の予防法

ムンプスウイルスの主な感染経路は、「飛沫感染」「接触感染」の2つです。日常的な手洗いや手指消毒、うがいといった基本的な感染予防もある程度効果がありますが、これだけではおたふく風邪を効果的に防ぐことはできません。

おたふく風邪の最も有効な予防法は、ムンプスワクチンを接種することです。ムンプスワクチンは1歳から接種できますが、任意の予防接種であることに注意しましょう。ムンプスウイルスに対する免疫を十分につけるためにも、1回目の数年後に2回目の接種を受けることをおすすめします。

なお、学校保健安全法および施行規則では、おたふく風邪は第二種感染症に指定されています。耳下腺などの腫れが現れてから5日が経過し、全身状態が良好になるまでは、保育園や幼稚園、学校は出席停止となることに注意してください。

まとめ

おたふく風邪とは、ムンプスウイルスの感染により、耳下腺などの唾液腺が腫れ、発熱などの症状を示す病気です。免疫力や抵抗力が十分に発達していない子どもが感染するケースが多く、特に保育園や学校などでの集団生活で感染が広がりやすいことに注意しましょう。

おたふく風邪の症状は比較的軽度ですが、保育園や学校などは出席停止となり、回復するまで出席することができません。また、重篤な合併症を引き起こすケースも少なくありません。ムンプスワクチンの接種や日頃の手洗い・うがいなどの対策を行い、おたふく風邪を効果的に予防しましょう。

子どもの主な感染症として、「手足口病」という病気のことを見聞きしたことがある方も多いでしょう。病名から「手や足、口に症状が出る病気」と推測することはできるものの、具体的な症状は分からないという方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、手足口病の概要や流行しやすい季節をふまえて、手足口病の主な症状や起こり得る合併症、原因となるウイルスとその感染経路について解説します。手足口病の治療法や対処法、手足口病の行政的な扱いや感染を予防するための方法なども併せて確認し、手足口病の流行に備えましょう。

目次

1. 手足口病とは

2. 手足口病の症状

2-1. 起こり得る合併症について

3. 手足口病はどうやってうつる?主な原因・感染経路

4. 手足口病の治療法・対処法

5. 手足口病の予防法

まとめ

1. 手足口病とは

手足口病とは、手や足、口の中などに水疱性の発疹が出るウイルス性感染症のことです。主に夏季に流行する感染症であり、毎年7月下旬ごろに流行のピークを迎えます。「ヘルパンギーナ」「咽頭結膜熱(プール熱)」とともに、三大夏風邪とも呼ばれることを押さえておきましょう。

手足口病の患者の多くは子どもであり、5歳未満の小さな子どもが約8割を占めています。ただし、子どもから大人に感染するケースもまれに見られるため、小さなお子さんを育てる方は特に注意しましょう。

手足口病の症状は比較的軽度であり、1週間程度で軽快するケースがほとんどです。一方、最近は日本を含む東アジア・東南アジアを中心に、重症化する割合が比較的高いと言われる種類のウイルスの流行も見られます。流行状況を把握した上で、対策を行う必要があるでしょう。

2. 手足口病の症状



手足口病では、
3~6日の潜伏期間を経て、手のひらや足の裏・足の甲、口の中の粘膜などに、2~3mmほどの水疱性の発疹が現れます。手・足・口だけでなく、ひざやひじ、臀部(お尻)などにも出現する場合があることも押さえておきましょう。

手足口病は発熱を伴う場合も多く、発症した方の約3分の1に発熱が見られます。しかし、高熱になることはほとんどなく、高熱が出たとしても長く続くわけではありません。

手足口病の発症後、発熱は1~3日程度で治まり、水疱性の発疹は1週間程度でかさぶたをつくることなく消失します。なお、ウイルスの種類によっては、手足口病の快癒後1~2か月程度で一時的に手足の爪が脱落する(はがれる)場合があります。特別な対処をしなくても、すぐに新しい爪が生えるため、焦らず対応するようにしましょう。

2-1. 起こり得る合併症について

手足口病の症状は比較的軽度であり、予後も良好であることがほとんどですが、まれに中枢神経系の合併症を引き起こす場合があることに注意が必要です。手足口病の原因となるウイルスの1つ「エンテロウイルス71(EV71)」に感染した場合は特に可能性が高まるため、十分注意して経過を観察するようにしましょう。

【手足口病で起こり得る代表的な合併症】

●髄膜炎

ウイルスが脳を包む髄膜に感染し、炎症を起こす病気です。発熱や頭痛、嘔吐、下肢の痛みといった症状が見られますが、医療機関で適切な処置を受けることで、良好な経過をたどり、完全に回復することができます。

●小脳失調症

ウイルスの感染により、運動機能や平衡・眼球運動の調節を行う小脳の働きに影響が出る病気です。「歩行がふらつく」「姿勢の維持が難しい」「うまく喋れない」「眼球が細かくゆれる」といった症状が現れます。1~2か月程度で自然回復するケースがほとんどですが、重症化した場合はステロイド療法などの治療を行います。

●脳炎

ウイルスが脳に感染することで、さまざまな症状が出る病気です。発熱や頭痛、嘔吐などの症状が見られるケースが多く、意識がぼんやりしたりひきつけを起こしたりすることもあります。

●ギラン・バレー症候群

ウイルスの感染後、1~2週間程度で手足の先がしびれたり、力を入れにくかったりする症状が見られる病気です。患者さんの約半数に脳神経障害が現れ、重症化すると、歩行の介助や人工呼吸器の装着が必要になる場合もあります。

ギラン・バレー症候群では、症状が現れてから数日~2週間で急速に症状が進み、2~4週間で症状のピークを迎えます。まれに重症化することがあるものの、特別な治療をしなくても徐々に改善し、約半年程度で回復するケースがほとんどです。


手足口病には合併症が見られるケースもあるものの、頻度はそれほど高くありません。手足の多くは軽症で済むため、
過度に心配せず経過をよく観察し、必要に応じて医療機関を受診するようにしましょう。

3. 手足口病はどうやってうつる?主な原因・感染経路

手足口病はウイルス感染症であり、原因となるウイルスには下記のようなものがあります。原因ウイルスには複数の種類があるため、手足口病にかかったことがある方が、別の原因ウイルスによって手足口病を再度発症することも珍しくありません。

【手足口病の主な原因ウイルス】

  • コクサッキーウイルスA6(CA6)
  • コクサッキーウイルスA16(CA16)
  • エンテロウイルス71(EV71)


手足口病の主な感染経路には、
「飛沫感染」「接触感染」「糞口感染」の3つがあります。

【手足口病の主な感染経路】

●飛沫感染

感染者の咳やくしゃみなどで飛散したウイルスを含む飛沫を、周囲の人々が口・鼻から吸い込むことで感染が成立する経路です。

●接触感染

ウイルスが付着したもの(感染者の手や感染者が触ったもの)に触れた手で、口や鼻に触れることで感染が成立する経路です。

●糞口感染

便の中に排出されたウイルスが、口に入ってしまうことで感染が成立する経路です。


子どもは保育園や幼稚園、学校といった場で集団生活を送るため、園児同士・児童同士の生活距離が近く、濃厚な接触が生じやすくなります。このような理由から、
保育園や幼稚園、学校といった施設では、手足口病の集団感染が起こりやすいことを押さえておきましょう。

4. 手足口病の治療法・対処法

手足口病は比較的軽度な症状で済む場合が多く、発症後1週間程度で自然に治癒する病気です。特別な治療法・治療薬もないため、経過を観察しながら症状に応じた対症療法を行います。

【手足口病における主な対症療法】

症状

対症療法

発熱

  • 高熱にならないケースが多いため、まずは解熱剤を使用せず、安静にしながら経過を観察する
  • 頭痛や嘔吐を伴う場合や、2日以上発熱が続く場合は、髄膜炎や脳炎の可能性もあるため医療機関を受診する

発疹

  • 手足の発疹に対して抗ヒスタミン剤が処方された場合は、医師の指示にしたがって塗布する
  • 口の中の発疹によって生じた口内炎が痛む場合は、鎮痛剤を服用したり粘膜保護剤を塗布したりする

水分が十分にとれない

  • 水やお茶、牛乳など、のどごしがよく刺激の少ない飲み物をこまめに飲む
  • 脱水症状が心配な場合は、医療機関で点滴を行う

食事をとれない

  • 咀嚼の必要がある硬い食べ物は避け、なるべくかまずに飲み込めるものにする


対症療法を行ったにもかかわらず、症状が悪化した場合やなかなか軽快しない場合は、合併症を発症している可能性があります。経過をよく観察し、症状に変化が見られた場合はすぐに医療機関を受診するようにしましょう。

5. 手足口病の予防法

現段階では、手足口病の原因ウイルスに対する有効なワクチンはありません。手足口病を予防するためには、手洗いなど基本的な感染対策を行うことが大切です。手足口病は「5類感染症定点把握疾患」に定められており、流行状況が把握できる感染症であるため、流行状況を確認しながら対策を行いましょう。

家族が手足口病にかかった場合は、感染拡大を防ぐためにも、下記のようなポイントに注意しながら経過観察を行ってください。

【手足口病の感染を広げないためのポイント】

  • 手洗いを十分に行う
  • 排泄物を適切に処理する
  • 感染した方は咳エチケットやマスクの着用を心がける
  • タオルの共用はしない


なお、手足口病の場合、保育園や幼稚園、学校などへの出席停止といった措置は流行を防ぐための効果が低いと言われています。子ども本人の全身状態が良好で通常の食事がとれる場合は登園・登校するなど、
本人の症状・状態によって判断することが大切です。

まとめ

手足口病は、手や足、口の中などに水疱性の発疹が現れるウイルス性の感染症です。発熱や発疹といった症状は比較的軽度であり、対症療法により1週間程度で治まるケースがほとんどですが、まれに重篤な合併症を発症する場合もあります。症状に変化が見られた場合は、医療機関を受診するようにしましょう。

手足口病には有効なワクチンがないため、流行状況を見ながら手洗いなどの基本的な感染対策を行います。手足口病にかかった場合は、感染を広げないようポイントを押さえた対応を心がけましょう。出席停止などの行政的な決まりはないため、回復後の登園・登校は本人の体調・状態に応じて判断することが大切です。

入学卒業の時期!
2月は一年の中でも一番寒い時期ですが、春の気配が感じられる季節でもあります。
新入学に合わせての教育費のワンポイントアドバイスします!

新入園

そろそろ習い事などを始めるお子さんもいらっしゃるのでは?塾や習い事などの教育費は家庭の方針で「かける教育費」です。始める時がポイントです。親や子どもの希望だけでなく、経済的なことを考えるのも忘れないようにしましょう。

小学校入学
子どもが小学生の時は、一番貯蓄ができる期間です。大学進学資金(高校卒業後の教育資金)を頑張って積み立てましょう。

中学校入学
義務教育ですが、教育費だけでなく家計支出も増えていきます。高校受験を控えて貯蓄ができるギリギリの期間です。家計もキュッとシェイプアップしましょう。

高校入学
公立か私立で家計負担はかなり違いますが、ここは頑張って毎月の家計の中から支出しましょう。入学準備金以上に貯蓄を取り崩すと大学資金が足りなくなることもあります。

大学入学
奨学金を借りる時は、返済のことも考えましょう。卒業後10年〜15年負債を抱えることになることを忘れないようにしましょう。

新社会人
収入の中で支出をして、毎月貯蓄ができるようにしましょう。給料天引き貯金がおススメです。

おかげさまでコープ共済は子ども向けの保障で契約数No1になりました。

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★保険商品契約数は『平成30年版 インシュアランス生命保険統計号(個人保険種類別子ども保険契約)』に基づき、共済団体契約数は『共済年鑑 2019年版』に基づいています。

★各保険・共済によって、子ども向け保障商品の加入年齢・満期年齢・保障内容等は異なります。
《たすけあい》ジュニア20コースは、加入年齢0歳〜満19歳・満20歳満期の商品です。
他の保険・共済ではジュニア20コースよりも加入年齢・満期年齢が低い商品があります。

共済とはなんでしょう?

『生活提案 おたがいさまさま たすけあいということ 共済と地域福祉』は生活クラブの絵本です。
おたがいさまのたすけあいである共済や協同組合のたすけあいについて、みんなで考えてみましょう。

こちらから、または絵本表紙画像をクリックするとデジタル版がご覧になれます。

また、絵本の動画版も上記からご覧いただけます。

共済 保険について詳しくはこちらから

生活クラブ共済連は、ホームページをリニューアルしましたので、お知らせいたします。
今回のリニューアルでは、より見やすく、使いやすく、親しみやすいサイトをめざして
デザインやメニュー構成を見直し、新コンテンツも追加しました。

今後も多くの皆様にご利用いただけるサイトつくりをめざし、内容のさらなる充実
をはかり、より活用しやすい情報提供を行ってまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

(※)ホームページのリニューアルにともない、一部のページのURLが変わりました。
ブラウザの「お気に入り」「ブックマーク」など登録されている場合は、新しいURLへの変更をお願いいたします。

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