ネット通販による買い物が一般的になった昨今では、利用者の購買欲を煽って金銭や情報をだまし取る、詐欺サイトも多く作られるようになりました。詐欺サイトはネット上のいたるところに存在しているため、絶対に遭遇しない・詐欺を回避できるとは言い切れません。
この記事では、ネット通販における詐欺サイトの見分け方を、メール編とサイト編に分けて解説します。詐欺被害に遭わないための注意点をしっかりと理解して、楽しく快適な通販生活を楽しんでください。
目次
1. 詐欺サイトの被害に遭うとどうなる?
近年は、幅広い世代でインターネットの利用が普及しています。ネットショッピングなどネット上で完結する金銭のやり取りが増えている現状へ比例するかのように、詐欺サイトの数も増加している傾向です。折につけ注意喚起はされているものの、年間数千万件を超える詐欺サイトの存在が報告されています。
詐欺サイトの種類は多岐にわたる上、巧妙な手口で集客に励むこともあり、気をつけていても絶対に騙されないとは言い切れません。万が一詐欺サイトに引っかかってしまうと、下記のような被害が生じます。
2. ネット通販の詐欺サイトに出くわす主なケース2つ
何気ない日常の中で一般人が引っかかりやすい詐欺サイトが、ネット通販の詐欺サイトです。通販詐欺サイトに誘導させる主な手口としては、下記の2種類が挙げられます。
〇フィッシングメール・メッセージ
Amazonなどの大手通販サイトの名をかたり、偽物のお知らせメールやセール情報などを送りつけリンク先の詐欺サイトにアクセスさせる手口です。
送付されるメッセージも「利用規約に違反したためアカウントを停止しました」など、つい焦ってアクセスしたくなる文言が使われています。メールやSMSに記載されたURLの先にある詐欺サイトは本物そっくりに作られているため、一目ではなかなか見分けられません。
〇ネット広告
WebサイトやSNSの閲覧中に表示される広告の中には、詐欺サイトへ誘導するための偽広告が混じっているケースがあります。ネット広告による詐欺で共通する手口が、定価からの大幅な値引きです。
何万、何十万円の値引きや、全品50%OFF、原価割れといった購買欲をそそる文句で集客します。掲載されている商品やブランドのロゴも正規品から盗用されているため、見た目だけで見抜くことは困難です。詐欺サイト中には検索エンジンに広告費を支払うことで、公式サイトよりも上位に表示されるケースもあるため、注意しなければなりません。
3. 【メール編】ネット通販の詐欺サイトの見分け方
詐欺通販サイトから送られてくる誘導メールは、一見すると公式から送られたかのようなしっかりとした文面が記載されているケースがほとんどです。詐欺被害を防ぐためには、サイトへのアクセスを要求したり直接金銭を要求したりするメールは、すべて疑ってかかることが鉄則です。
ここでは、あやしいメールが届いた際の見分け方を紹介します。
3-1. 日本語は不自然となっていないか
詐欺通販サイトの中には、海外で作成されているものが珍しくありません。近年は翻訳ソフトの機能が向上したこともあり、翻訳の精度も高く文章として「読める」文面であるケースも増えています。しかし、それでも粗を隠し切れていないメールも多く、下記の点に注意すれば見破ることが可能です。
また、通販サイトの多くは、利用者へ送るメールの文頭に「◯◯様」などとアカウントに登録された氏名を記載しています。こちらも併せてチェックするとよいでしょう。ただし、日本語が正しいからといって、確実に公式サイトとは限りません。
なお、すでに詐欺メールとして知られている場合、文面をコピペして検索するだけで判明するケースもあります。
3-2. メールアドレスは公式のものと相違がないか
メールを開封したら、まずアドレスをチェックしましょう。近年は、差出人を自動的にアドレスから名前に変換して表示する仕組みが主流となっており、アドレスの異変に気づきにくくなっています。
メールに少しでも疑いを抱いた場合は、しっかりとアドレスをチェックすることが重要です。特にチェックすべきは、ドメインです。基本的に、他人が全く同じメールアドレスを作成することはできないため、ローカル部を偽装できてもドメインが異なるケースが多くあります。
ただし、ローカル部・ドメインともに文字列は自由に選択できるため、公式のアドレスと酷似させる手口が後を絶ちません。公式のメールアドレスと見比べて、文字列の一つひとつに相違がないか確認することが大切です。
4. 【サイト編】ネット通販の詐欺サイトの見分け方
メールからの誘導を回避できても、ネット広告や検索結果から飛んだサイトが詐欺サイトである可能性は残ります。普段使わないサイトや、ブックマークに残していないサイトに訪れた際は、そこが正規のサイトか否かを確認することが重要です。
ここでは、通販サイトを開いた際にチェックすべき、詐欺サイトの見分け方や注意して見るポイントを紹介します。
4-1. サイトURLは公式サイトと相違がないか
ネット通販の詐欺サイトには、Amazonなどの大手通販サイトを模倣した「偽サイト」が少なくありません。既に存在する名の知れた通販サイトにアクセスした場合でも、「怪しい」と感じた場合は、URLを入念にチェックすることで安心して利用できます。
サイトへ疑念を持ったときにチェックすべきポイントが、「公式サイトのURLと相違がないか」です。メールアドレスと同様に、サイトURLのアドレスやドメインも運営者が自由に決められます。そのため、1文字違いや「O」と「0」を入れ替えただけなど、巧妙な手口で酷似させている例も珍しくありません。
4-2. サイトURLやサイト内に怪しい点がないか
公式サイトとの相違の他に、下記の点もチェックしましょう
URLの左端に南京錠のマークがついていなかったり、URLが「https://」から始まっていなかったりするサイトは、通信が暗号化されていません。そのため、個人情報を入力する際は、そのサイトが信頼できるか否かを確認することが大切です。
ただし、暗号化がされていないから・馴染みのないドメインだからといって、必ずしも詐欺サイト・偽サイトとは限らない点も覚えておきましょう。また、商品ページ以外の日本語や使用されているフォントに不自然な点がないかも、改めてチェックすべき項目です。
4-3. 掲載商品に怪しい点がないか
掲載されている商品に、下記のような特徴があれば詐欺サイトの可能性が高まります。
特に、極端な安さを売りにしているサイトは要注意です。中古でもない正規品やブランド品が、大幅な値引き価格で売られることはまずありません。どのような理由が並べられても、常識的な価格から乖離している場合は詐欺を疑いましょう。
4-4. 会社概要は正しい情報が記載されているか
会社概要は、どのショップでも表示する義務があります。まずは、下記の項目が記載されているか確認しましょう。
下記の特徴が見られるサイトは、怪しいサイトと言えます。
まとめ
ネット通販の詐欺サイトに騙されないためには、怪しいメールに記載されたURLから飛ばないことや、ネット広告の煽り文句を鵜呑みにしないことが大切です。
近年は詐欺サイトの多くが、精工かつ巧妙になってきています。詐欺サイトであるにもかかわらず、サイトのコンテンツやアドレスが正規サイトと見分けがつかないケースも少なくありません。
わずかでも「詐欺に遭ったかもしれない」と不安に思った場合は、消費者庁が設置している「消費者ホットライン」に問い合わせてみましょう。