2022/12/8(最終更新日)

介護保険制度とは?受けられるサービス・費用に関する情報も

介護保険制度は、自身が要介護者や要支援者となった場合に支援が受けられる制度です。本人や家族の負担軽減に役立つ介護保険制度ですが、概要や利用できるサービスなどを深く理解できていない人も少なくありません。

介護が必要となった場合に適切に支援やサービスを受けるためには、介護保険制度の仕組みや必要性を理解しておくことが大切です。

今回は、介護保険制度の概要と成り立ち、受けられるサービスついて解説します。介護保険の支給限度額・自己負担割合にも触れるため、介護保険制度とは何か詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

1. 介護保険制度とは?被保険者の分類も

1-1. (1)第1号被保険者

1-2. (2)第2号被保険者

1-3. 要介護・要支援認定について

2. 要介護・要支援認定で受けられる介護保険サービス

2-1. 居宅介護サービス

2-2. 施設サービス

2-3. 地域密着型介護サービス

2-4. 介護予防サービス

2-5. 地域密着型介護予防サービス

3. 介護保険の気になる「費用」に関する情報

3-1. 介護保険の支給限度額(介護度別)

3-2. 介護保険利用時の自己負担割合

まとめ

1. 介護保険制度とは?被保険者の分類も

介護保険制度とは、全国の自治体が主体となって運営する保険制度です。要介護認定や要支援認定を受けた人は、介護保険制度によりさまざまなサポートが受けられます。

高齢化が進む日本では、介護や支援を必要とする人が今後も増大すると予想されています。介護保険制度は、福祉施設や老人医療制度では対応しきれない部分を、社会全体で支えていくことを目的として導入されました。

介護保険制度の被保険者は、第1号被保険者・第2号被保険者の2つに分けられます。ここからは、各被保険者の受給要件や保険料の支払いなどについて解説します。

(出典:厚生労働省「介護保険制度の概要」/https://www.mhlw.go.jp/content/000801559.pdf

1-1. (1)第1号被保険者

第1号被保険者は、65歳以上の人が対象です。第1号被保険者の加入者数と受給要件は、下記の通りです。

第1号被保険者の介護保険料は、65歳になった月から支払いが始まります。各市町村が年金から保険料を徴収する仕組みです。保険料の金額は、要介護者の人数や介護設備状況などが影響するため、各市町村によって異なります。第1号被保険者が支払う介護保険料平均は、年々増加傾向にあることが特徴です。

1-2. (2)第2号被保険者

第2号被保険者は、医療保険加入している40~64歳の人が対象となります。第2号被保険者の加入者数や受給要件は、下記の通りです。

第2号被保険者の介護保険料は、加入している医療保険と併せて一括徴収されます。保険料の金額は、各健康保険組合によって異なります。協会けんぽや共済組合の医療保険に加入している場合は、事業主が保険料の半分を負担する仕組みです。

第2号被保険者が受給対象となる加齢が起因する疾病は、初老期の認知症・末期がん・関節リウマチなど16種類あります。ただし、介護保険が適用されるのは、各自治体に申請して要介護認定または要支援認定を受けた人に限ります。

1-3. 要介護・要支援認定について

要介護認定や要支援認定を受けるには、まず各自治体の担当窓口への相談が必要です。要介護認定または要支援認定を受けるまでの流れは、次の通りです。

要介護認定と要支援認定は、それぞれにレベルが定められています。要介護認定は「要介護1~5」、要支援認定は「要支援1~2」の7段階に分かれています。

2022年3月時点の要介護認定者数と要支援認定者数は、下記の通りです。

(出典:厚生労働省「介護保険事業状況報告(暫定)」/https://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/jigyo/m22/2203.html

高齢化により要介護者や要支援者の増加が続く日本において、介護保険制度はなくてはならないものとなっています。

2. 要介護・要支援認定で受けられる介護保険サービス

要介護認定または要支援認定を受けた人は、さまざまなサービスを保険適用で利用できます。介護サービスを利用するには、ケアプランの作成が必要です。ケアプランを作成する場合は、地域包括支援センターや居宅介護支援事業者へ依頼しましょう。

ここでは、要介護認定または要支援認定を受けた人が利用できる介護保険サービスを5つ紹介します。

2-1. 居宅介護サービス

居宅介護サービスは、自宅で生活する要介護者を対象としたサービスです。主に訪問型・通所型・短期滞在型の3種類があります。

具体的なサービス内容は、下記の通りです。

要介護者へのサービス提供は、訪問介護士や看護師が行います。福祉用具のレンタルでは、車いすやベッドなどのレンタルが可能です。

2-2. 施設サービス

施設サービスは、施設に入所する要介護者を対象としています具体的なサービス内容は、下記の通りです。

入居できる施設には、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護療養型医療施設などがあります。特別養護老人ホームは、利用料が低く設定されているため、全国的に入所を希望する人が多いことが特徴です。

2-3. 地域密着型介護サービス

地域密着型介護サービスは、要介護認定された人が利用できます。住み慣れた地域で支援や介護を受けられるため、利用者にとってメリットが大きいサービスです。

具体的なサービス内容は、下記の通りです。

地域密着型介護サービスは、各市町村が指定した介護事業所がサービス提供を行います。サービス内容や利用料金は、各市町村により異なります。

2-4. 介護予防サービス

介護予防サービスは、要支援認定された人を対象としたサービスです。状態悪化を防ぐために、生活機能の改善をサポートします。

具体的なサービス内容は、下記の通りです。

要支援者の機能訓練だけでなく、家族のリフレッシュ時間の確保など目的に合わせて利用できるサービスが豊富です。

2-5. 地域密着型介護予防サービス

地域密着型介護予防サービスは、地域で暮らす要支援者に対してサービス提供を行います。地域密着型介護予防サービスには、自宅で受けられるサービスと施設への通所により受けられるサービスの2つがあります。

具体的なサービス内容は、介護予防サービスと同様です。ただし、地域住民と関わる機会が多いため、地域全体で要支援者を支える仕組みが整っています。

3. 介護保険の気になる「費用」に関する情報

保険適用で介護サービスを受ける場合、支給限度額の範囲内でケアプランを作成します。支給限度額の範囲内であれば、定められた自己負担額のみでサービス利用が可能です。ただし、支給限度額を超える場合は、全額自己負担となります。

ここでは、介護保険の支給限度額と自己負担割合について解説します。

3-1. 介護保険の支給限度額(介護度別)

介護度別の介護保険の支給限度額は、下記の通りです。

(出典:厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する告示」/https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000537337.pdf

介護保険の支給限度額は、要介護・要支援のランクごとに定められています。月額の介護保険サービス料金が一定額を超えた場合は、高額介護サービス費制度により自己負担額の上限を超えた分が払い戻されることが特徴です。

3-2. 介護保険利用時の自己負担割合

介護保険サービスを利用した場合の自己負担割合は、所得に応じて1~3割と定められています。

自己負担割合ごとの介護保険負担額は、下記の通りです。

(出典:厚生労働省「指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準等の一部を改正する告示」/https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000537337.pdf

自己負担割合は、各市町村が発行する介護保険負担割合証に記載されています。

まとめ

介護保険制度は、要介護認定や要支援認定を受けた人を自治体が中心となってサポートする制度です。介護保険制度の被保険者は、第1号被保険者と第2号被保険者に分類され、介護保険料の支払い方法がそれぞれ異なります。介護保険サービスの利用には、要介護認定または要支援認定が必要です。

介護保険の支給限度額は、介護度に応じて定められます。介護保険利用時の自己負担割合は、所得によって決まることが特徴です。介護保険制度の仕組みを正しく理解して、自身や家族の介護問題に備えましょう。

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