白内障と緑内障は、どちらも名前が広く知られている代表的な目の病気です。しかし、2つの病気について詳しい症状や治療方法、違いを知らない方は多いのではないでしょうか。
白内障と緑内障は誰もがなり得る病気です。放置すると目の疲れや視力低下、最悪の場合は失明の危険性もあるため、予防方法の把握や万が一の備えもしておきましょう。
当記事では白内障と緑内障のそれぞれについて原因・症状・治療方法・予防方法を紹介し、白内障や緑内障に備えるためのポイントも解説します。
目次
3-2. ポイント(2)万が一入院治療となったときに備えて保険に加入しておく
1. 白内障とは?主な原因・症状・治療法について
白内障とは、黒目の中にある水晶体が白く濁る病気です。
水晶体は本来は透明で、眼球外部から光を集めてピントを合わせる機能がある組織です。白内障になると水晶体が白く濁って光が通りにくくなり、さまざまな症状を引き起こします。
白内障になる主な原因は、加齢です。ただし、若い人であってもアトピー性皮膚炎や糖尿病の合併症として白内障になるケースがあります。
1-1. 白内障の症状
白内障になると、下記の症状が現れるようになります。
白内障は早期に治療すれば視力回復や完治が期待でき、失明に至る危険性は低い傾向にあります。
1-2. 白内障の治療方法
白内障は病気の進行度合いによって、選択する治療方法が異なります。
目のかすみや軽度の視力低下といった日常生活での支障が少ない初期段階では、医師が処方する点眼薬を使用します。ただし、点眼薬の使用はあくまでも症状進行を抑制するための措置であり、点眼薬で白内障が完治するわけではありません。
白内障が進行して、症状によって日常生活に支障が生じた場合は外科手術を行います。白く濁った水晶体は元に戻せないため、白内障を完治させるためには手術が必要です。
白内障の手術では、角膜と前嚢を切開した上で濁った水晶体を取り除き、代わりに人工の眼内レンズを挿入します。手術と言っても大がかりなものではなく、基本的に20分程度で終わる日帰り手術です。
1-3. 白内障の予防方法
加齢以外の外的な原因による白内障は、下記の方法で予防できます。
- 目の紫外線対策をする
目に強い紫外線を受けると、水晶体に含まれるタンパク質が酸化して白い濁りを生み出します。サングラスや帽子を着用して目の紫外線対策をしましょう。
- 抗酸化作用のある食品を摂取する
タンパク質の酸化を防ぐために、抗酸化作用のある食品を摂取する方法もおすすめです。ビタミンC・ベータカロチン・ルテイン・ゼアキサンチンは、白内障予防に効果がある抗酸化物質と言われています。
- 喫煙の習慣をなくす
喫煙は白内障になるリスクを高めると言われています。喫煙には抗酸化物質であるビタミンCを破壊する作用もあるため、白内障予防のためには喫煙の習慣をなくすことがおすすめです。
- 糖尿病対策をする
糖尿病は白内障になる原因の1つです。生活習慣の見直しや適度な運動を行う糖尿病対策は、白内障の予防にもつながります。
2. 緑内障とは?主な原因・症状・治療法について
緑内障とは、視野が欠けたり狭くなったりする病気です。
緑内障が起こる主な原因は、眼圧の上昇による視神経の障害であると言われています。眼圧とは、眼の中の房水によってかかる圧力のことです。眼圧が上昇して視神経が圧迫されることで視覚情報が脳へと正常に伝達されなくなり、視野に異常が発生します。
ただし、眼圧が正常であっても緑内障を発症する「正常眼圧緑内障」というケースもあり、眼圧が正常であれば緑内障にならないわけではありません。
2-1. 緑内障の症状
緑内障はいくつかの種類に分かれるものの、共通する症状としては下記のられます。
ただし、一般的に緑内障と呼ばれる「原発緑内障」の中でも、多くの人がかかる「開放隅角緑内障(慢性緑内障)」は自覚症状がほとんどない点が特徴です。視野が狭い・欠けていると自覚できたときは、症状が進行していることが多い傾向にあります。
また、日本人における中途失明原因の第1位が緑内障であると言われています。緑内障は放置すると失明に至る危険性が高いため、気になる点があれば早めに受診しましょう。
2-2. 緑内障の治療方法
まず、緑内障は完治ができず、治療では症状を進行させないための方法が取られています。一度障害が起きた視神経は元に戻せないためです。
緑内障の治療方法としては、「点眼薬による治療」と「外科手術による治療」の2種類があります。
点眼薬による治療は、眼圧を下げる効果がある点眼薬を使用する治療方法です。点眼薬のみでは効果が得られない場合は、内服薬を使用するケースもあります。
一方の外科手術による治療は、点眼薬による治療では不十分な場合に行う治療方法です。メスでの切開やレーザーによる手術を行って、眼圧を低く調整します。緑内障は完治ができないため、手術後も生涯にわたり眼圧の調整が必要です。
2-3. 緑内障の予防方法
緑内障は眼圧の上昇だけではなく、目を酷使する方や目の血流が滞っている方もなりやすいと言われています。緑内障を予防するためには下記の方法がおすすめです。
- 軽い運動をする
ウォーキングなどの軽い運動は全身の血流をよくし、目の血流も改善できます。
- 睡眠をしっかり取る
睡眠を取ると目を休められて、眼精疲労を回復できます。ホットアイマスクを使用して目の周囲の血流をよくしながら眠ることもおすすめです。
- 定期的に目を休める
パソコンやスマホを長時間見つめていると目に疲労がたまります。目を酷使しないためにも、定期的に目を休めることを意識してください。
3. 表で解説!白内障と緑内障の違いまとめ
白内障と緑内障の違いをまとめると、下記表の通りとなります。
白内障と緑内障はいずれも加齢とともに起こり得る疾患であり、ならないためには日々の予防が欠かせません。
また、いくつかのポイントを意識しておくと、白内障・緑内障になってしまったときも安心です。日々の予防の他に意識しておきたい2つのポイントを解説します。
3-1. ポイント(1)定期検診を受けて早期発見に努める
白内障・緑内障は症状に早く気付いて治療を受けたほうが、日常生活への影響を少なく抑えられます。眼科の定期検診を受けて、白内障・緑内障の早期発見に努めましょう。
眼科の定期検診では、下記のような検査が行われます。
眼科の定期検診を受けることで、自分の視力や視野に異常がないかを眼科医に詳しく検査してもらえます。異常が見つかった場合も、スムーズに治療へと移れるため安心です。
3-2. ポイント(2)万が一入院治療となったときに備えて保険に加入しておく
白内障・緑内障の治療として手術を選択した場合、近年は入院を伴わない日帰り手術が一般的です。日帰り手術では手術代のみがかかるため費用は安い傾向があります。しかし、他の病気についても治療の必要がある場合は、白内障・緑内障の手術で入院しなければならないケースもあります。例えば重度の糖尿病に罹患していて、合併症で白内障になった場合が入院治療の必要なケースです。
入院となった場合は手術代に加えて入院基本料や食事代、4床以下の病室を希望した場合は差額ベッド代もかかります。入院治療はかかる費用が大きくなるため、保険に加入しておくことがおすすめです。
まとめ
白内障は水晶体が白く濁る病気で、目のかすみや視力低下などの症状を引き起こします。対して緑内障は眼圧の上昇によって視神経に障害が発生し、視野狭窄や視野欠損を引き起こす病気です。
白内障・緑内障はどちらも治療方法はあるものの、症状が進行すると手術による治療が必要となります。入院治療になった場合は入院にかかる費用も発生するため、万が一に備えて保険に加入しましょう。
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