2022/12/16(最終更新日)

成人年齢引き下げによって増加した「消費者トラブル」6選

民法改正が行われた2022年4月1日から、成人年齢は18歳に引き下げられました。成人年齢引き下げには、取得できる免許や資格の幅が広がるなどのメリットがある一方で、未成年者取消権が適用されなくなるといったデメリットもあります。

新たに成人となった人や18歳の子どもを持つ親世代は、成人年齢引き下げによって増加した消費者トラブルを把握して、対策を講じておくことが大切です。

今回は、成人年齢引き下げで増加した消費者トラブルの内容について解説します。トラブルに遭わないための予防法にも触れるため、ぜひ参考にしてください。

目次

1. 成人年齢引き下げで消費者トラブルが起こる原因は?

2. 成人年齢の引き下げによって増加したよくある消費者トラブル6選

2-1. (1)エステ・美容医療サービスの「契約」に関するトラブル

2-2. (2)健康食品・化粧品の「定期購入」に関するトラブル

2-3. (3)情報商材・仮想通貨の「儲け話」に関するトラブル

2-4. (4)クレジットカード・借り入れの「支払い」に関するトラブル

2-5. (5)スマホ・ネット回線の「通信契約」に関するトラブル

2-6. (6)SNS・出会い系サイトの「詐欺や勧誘」に関するトラブル

3. トラブルに遭わないための予防法

まとめ

1. 成人年齢引き下げで消費者トラブルが起こる原因は?

成人年齢引き下げにより、18歳からは親の同意なしでさまざまな契約が可能です。未成年者取消権を適用できなくなるため、消費者トラブルも起こりやすくなっています。

未成年者取消権とは、保護者の同意なしに行った契約を取り消すことができる法律です。成人年齢引き下げにより、未成年者取消権の適用は「19歳まで」から「17歳まで」に変わりました。

18歳からは契約者本人に責任が生じるため、契約が詐欺や悪質な内容であったとしても保護者が契約を取り消すことはできません。

18歳は、高校3年生や専門学校生、大学生や社会人1年生などあらゆる境遇の人がいます。法律上は成人でも、「世間を十分にわかっていない」「判断力が身についていない」という人も多く、消費者トラブルに巻き込まれる可能性が高いことが特徴です。

2. 成人年齢の引き下げによって増加したよくある消費者トラブル6選

成人年齢引き下げにより、新成人をターゲットとしたあらゆる消費者トラブルの発生が懸念されています。全国の消費者センターには、18歳~20代前半の人からさまざまな消費者トラブルに関する相談が寄せられています。

(出典:独立行政法人 国民生活センター「18歳から“大人” 18歳・19歳に気を付けてほしい消費者トラブル 最新10選」/https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20220228_1.html

消費者トラブルに巻き込まれないためにも、実際にどのような消費者トラブルがあるのか知っておくことが大切です。

ここからは、成人年齢引き下げによって増加した消費者トラブルを詳しく解説します。

2-1. (1)エステ・美容医療サービスの「契約」に関するトラブル

エステや美容医療サービスのトラブルでは、施術の契約をさせたり商品を購入させたりするケースが多く見られます。

エステ・美容医療サービスに関するトラブル事例は、下記の通りです。

多くのサロンやお店では、契約につなげるきっかけの1つとして「無料相談」「無料体験」の場を設けています。知識がない人ほど、勧誘話を聞いているうちに誘いに乗って契約してしまうことがあるため注意が必要です。

2-2. (2)健康食品・化粧品の「定期購入」に関するトラブル

定期購入に関するトラブルは、健康食品や化粧品などに多く見られます。健康食品や化粧品の「定期購入」に関するトラブル事例は、下記の通りです。

初回料金が安く設定されている場合、「2回継続」「定期購入」が条件となっていることがあります。2回目以降は、価格が高くなることがほとんどです。安くてお得な印象を与える広告は、条件や注意事項にも目を通す必要があります

2-3. (3)情報商材・仮想通貨の「儲け話」に関するトラブル

情報商材や仮想通貨など、儲けにつながる話に乗ってトラブルに遭う人も少なくありません。情報商材・仮想通貨の儲け話に関するトラブル事例は、下記の通りです。

情報商材は、副業や投資で成功するためのノウハウをまとめたものです。多くの情報商材は、購入しなければ詳しい内容がわからないようになっています。

SNSの広告や知人からの誘いなど、儲け話に関するトラブルのきっかけは身近にあります。誘ってきた知人も騙されていることもあるため、知識がない話には安易に乗らないことが大切です。

2-4. (4)クレジットカード・借り入れの「支払い」に関するトラブル

成人年齢引き下げにより、クレジットカードや借り入れなどの支払いに関するトラブルも増加しています。クレジットカードや借り入れなどの支払いに関するトラブル事例は、下記の通りです。

お金がないことを理由にエステや儲け話の勧誘を断ろうとすると、ローンや分割払いを勧めてくるケースも増えています。クレジットカードやスマホ決済は、特に悪用されやすい支払方法です。

賃金業者からの借金は、返済義務の取り消しが難しいだけでなく、返済が滞れば信用情報機関に登録されるなどのリスクもあります。

2-5. (5)スマホ・ネット回線の「通信契約」に関するトラブル

成人年齢の引き下げにより、18歳からは保護者の同意なしで通信契約を結べるようになりました。知識や経験がない新成人の中には、契約内容を正しく理解していない状態で契約してしまう人もいます。

通信契約に関するトラブル事例は、下記の通りです。

通信契約の内容は複雑で、正しく理解するには何度も内容を読み返す必要があります中には、大手通信会社を名乗って勧誘する詐欺も存在します。トラブルに遭わないためにも、スマホやネット回線の契約は慎重に行いましょう。

2-6. (6)SNS・出会い系サイトの「詐欺や勧誘」に関するトラブル

SNSやインターネットへの警戒心が少ない人は、詐欺や強引な勧誘に遭いやすい傾向にあります。SNS・出会い系サイトの詐欺や勧誘に関するトラブル事例は、下記の通りです。

SNSや出会い系サイトに関するトラブルでは、知り合って親しくなったタイミングで他の有料サイトへ誘導したり、送金を依頼してきたりするケースが多く見られます。

また、実際に会って商品購入や投資を勧める場合もあります。SNSや出会い系サイトで知り合った人とのやり取りでは、儲け話やお金に関する話題に要注意です。

3. トラブルに遭わないための予防法

知識や経験がない新成人は、悪徳業者や詐欺集団に狙われやすくなります。断りにくい状況を作って契約や借金をさせることも多いため、トラブルに遭わないためのポイントを押さえておく必要があります。

新成人が消費者トラブルに遭わないための予防法は、以下の通りです。

  • 契約前によく検討する

契約によっては、解約や返金ができないケースもあります。契約を考えている場合は、まず内容を確認してよく検討することが大切です。自分だけで判断せずに、親や周りの信頼できる大人に相談するのもおすすめです。

  • うまい話はきっぱりと断る

詐欺や儲け話には、「簡単」「誰でも儲かる」「今だけ○%オフ」など魅力的なフレーズが目立ちます。うまい話には裏があると考えて、話を鵜呑みにせずにきっぱりと断りましょう。

  • 消費者契約法やクーリングオフ制度の知識を身につける

消費者契約法やクーリングオフ制度の知識を身につけておくと、万が一トラブルに遭っても慌てずに対応できます。

消費者契約法に反する契約は、後から取り消すことが可能です。また、訪問販売や電話勧誘販売、エステや美容医療サービスの契約は、クーリングオフ制度により契約の撤回や解除できる場合があります。

不安や疑問を一人で抱え込むと、問題が解決しないだけでなく事態が悪化する可能性もあります。契約に関して困ったことがあれば、すぐに消費者センターに相談しましょう。

まとめ

成人年齢引き下げにより、新成人が消費者トラブルに巻き込まれる可能性が高まっています。契約に関するトラブルや儲け話に関するトラブルなど、新成人が遭いやすいトラブルはさまざまあります。

新成人が消費者トラブルに遭わないようにするには、契約内容をよく検討して消費者契約法やクーリングオフ制度について理解を深めることが重要です。困ったことがあれば、周囲の大人に相談したり消費者相談センターにアドバイスを求めたりしましょう。

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