「小さな子どもは風邪をひきやすい」という言葉を見聞きしたことがあるママ・パパも多いでしょう。感染症は大人でも症状が強く出るものもあるため、小さな子ども、特に0歳代の赤ちゃんが発病することに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
当記事では、小さな子どもがかかりやすい病気として、代表的な感染症を8つ紹介します。子どもが病気にかかりやすい理由や、子どもが病気になったときのサポートも併せて確認し、小さな子どもの病気に備えましょう。
目次
1. 子どもが病気にかかりやすい理由
小さな子どもが大人よりも感染症にかかりやすい理由の1つとして、赤ちゃんや小さな子どもは、病原体に対する抵抗力(免疫)が未発達であることが挙げられます。体の成長に伴って免疫力は強くなるものの、2歳くらいまでは免疫成分である好中球やリンパ球の働きが発達途上であることを押さえておきましょう。
また、保育園や幼稚園などでの集団生活が始まると、人との接触機会が増えるため、あらゆる感染症の感染リスクが高まります。自分の子どもが感染し、症状の出ないうちにお友達にうつしてしまうというケースも考えられるでしょう。集団生活では「感染症はかかるもの」と考え、「お互い様」の気持ちを持つことが大切です。
2. 子どもが特にかかりやすい病気8つ
子どもがかかりやすい病気・感染症には、「症状は鼻水・咳だけ」といった軽い風邪から、感染力が強く重い症状が出やすい感染症までさまざまな病気が存在します。高熱や激しい嘔吐、発疹といった症状が出る感染症もあるため、子どもの体調に変化が見られたときには注意深く観察し、適切なタイミングで医療機関を受診するようにしましょう。
ここでは、子どもがかかりやすい病気の中でも特に注意したい感染症を8つ紹介します。それぞれの病気の概要や主な症状、かかりやすい年齢なども併せて確認し、子どもの病気に備えて知識を身につけておきましょう。
2-1. 麻しん(はしか)
麻しん(はしか)は、感染力が非常に強い上に重い症状が出やすい感染症です。初期症状で高熱や咳、鼻水といった強い風邪症状が出るほか、充血や目やになどの目の症状が表れたり、口内に白い斑点(コブリック斑)が見られたりします。
高熱は3~4日後に一度下がりますが、再度発熱して全身に赤い発疹が表れます。発症後10日程度で症状が治まるものの、体力の回復には時間がかかることを押さえておきましょう。
麻しんの潜伏期間は9~12日ほどであり、発症後10日目までは他の人に感染させる恐れがあります。2歳以下の子どもは特に感染しやすいため、脳炎や肺炎、中耳炎の併発に注意しながら対応する必要があるでしょう。
2-2. 風疹
風疹は、「三日はしか」とも呼ばれる感染症です。初期症状として軽い発熱や鼻水といった風邪症状とともに全身の発疹が見られ、首や後頭部、耳の後ろのリンパ節の腫れも確認できます。
1~9歳の子どもにかかりやすいものの、発熱・発疹は発症後4日ほど・リンパ節の腫れは発症後7日ほどで治まるなど、多くの場合は麻しんほど強い症状は見られません。ただし、潜伏期間は14~21日と比較的長いことに注意しましょう。また、妊婦が風疹にかかると胎児に影響が出る可能性もあります。妊娠中のママがいる場合は特に注意してください。
2-3. 水痘(水ぼうそう)
水痘(みずぼうそう)は感染力が非常に強く、咳やくしゃみによる「飛沫感染」と、水疱に含まれる水痘帯状疱疹ウイルスに触ることによる「接触感染」で感染します。
感染初期には発熱や赤みのある丘疹(紅斑)が全身に見られますが、紅斑は3~4日程度で強いかゆみを伴う水疱へと進行します。かきむしってしまうと「とびひ」になってしまう恐れがあるため、細菌などが傷口に入らないよう爪を短く切っておきましょう。
水痘の潜伏期間は2週間前後であり、水疱がすべてかさぶたになれば他の人に感染させる可能性は非常に低くなります。1~5歳の子どもにかかりやすいと言われていますが、1歳以下の子どもが水痘に感染すると重症化する場合もあるため、早めに医療機関を受診しましょう。
2-4. 突発性発疹
突発性発疹は、急に38℃を超えるような高熱が出て3~4日ほど熱が続いた後、解熱前後に赤い発疹が出る病気です。下痢や嘔吐を伴う場合もあるため、なるべく早めに医療機関を受診しましょう。
突発性発疹は生後6か月ごろから1歳までの赤ちゃんが感染しやすく、突発性発疹が生まれて初めての発熱であるケースも少なくありません。機嫌が悪くなる子も多く見られますが、熱のわりには元気が良く、食欲もある子も多いと言われています。潜伏期間は10日ほどであり、感染力は低いものの発熱中は感染力が高まることに注意してください。
2-5. RSウイルス感染症
RSウイルス感染症は年齢を問わず発症する可能性がある呼吸器感染症ですが、特に3歳以下の子どもでは重症化する恐れがあるため注意が必要です。中でも1歳未満の乳児は重篤な呼吸器疾患を引き起こす可能性があるため、早めに受診するようにしましょう。
RSウイルス感染症に初めて感染した子どもの場合、4~5日の潜伏期間を経て、発熱や咳、鼻水といった初期症状が見られます。重症化した場合、咳がひどくなり喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒューといった呼吸音)や高熱が5日ほど続くケースも少なくありません。全身状態や呼吸状態が悪い場合は入院して治療を受けることもあります。
2-6. 感染症胃腸炎(ロタウイルス)
感染性胃腸炎を引き起こすウイルス・細菌にはさまざまな種類がありますが、特にロタウイルスによる感染性胃腸炎は2歳以下の子どもにかかりやすいため注意が必要です。
ロタウイルスによる感染性胃腸炎では、嘔吐や白っぽい下痢、発熱といった症状が見られます。2~4日間の潜伏期間を経て発症し、症状が治まっても発症後10日まではウイルスが便中に排出されることに注意しましょう。脱水症状を起こしやすいため、吐き気が治まったタイミングで少しずつ水分補給を行い、安静にすることが大切です。
2-7. ヘルパンギーナ
ヘルパンギーナは主に夏季に流行する感染症であり、14~21日ほどの潜伏期間を経た後、喉の痛みを伴う高熱を発症します。高熱は1~3日ほど続き、喉の奥や口内に水疱ができるため、食べたり飲んだりすることが難しく、脱水症状や食欲不振を起こしやすいことに留意しましょう。
ヘルパンギーナは4歳以下、特に1~2歳の幼児が感染しやすいと言われています。解熱後2~3日程度で回復しますが、数週間は便中にウイルスが含まれていることに注意してください。
2-8. 手足口病
手足口病もヘルパンギーナと同様に、主に夏季に流行する夏風邪の一種です。3~5日の潜伏期間を経て発熱し、口の中や手のひら、足の裏といった部分に水疱性の発疹が現れます。膝や肘、お尻など手足口以外の部位に発疹が出る場合もあり、軽度の発熱が見られるケースも少なくありません。
手足口病は4歳以下、特に2歳以下の子どもに多い感染症であり、通常は数日中に回復します。ただし、口の中の水疱が破れた場合は痛みで食欲が低下するため、刺激の少ない飲食物を用意してケアにあたりましょう。まれに脳炎や髄膜炎を起こす場合もあるため、嘔吐やけいれんなどの症状が見られた場合には、早めに医療機関を受診するようにしてください。
3. 万一に備える「保険」に加入しておこう!
子どもの感染症を防ぐためには、手洗いやうがい、定期的な換気などの基本的な感染対策を行うことが大切です。また、予防接種で防げる病気もあるため、かかりつけ医と相談の上で接種を検討してみてもよいでしょう。
ただし、どれほど対策をしていても、感染症を確実に防ぐことは難しいでしょう。また、感染症以外の病気・ケガなどで、入院や手術が突然必要になる可能性もゼロではありません。万一の事態に備えて、子供向けの保険・共済に加入しておくとよいでしょう。
保険や共済には、0歳から加入できるものもあります。「生活クラブ」では子ども向けの保険・共済を詳しく紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
まとめ
小さな子どもや赤ちゃんは免疫が未発達である上に、保育園や幼稚園など感染症の感染リスクが比較的高い環境で過ごすことも多いため、病気にかかりやすいと言われています。風邪や季節性のインフルエンザだけでなく、麻しんや水痘、RSウイルス感染症、感染性胃腸炎など重い症状が出る感染症も多いことに注意しましょう。
感染症は、手洗いやうがい・換気といった基本的な感染対策や予防接種で予防することができますが、必ずしも感染しないとは限りません。感染症以外の病気やケガもあるため、万一の事態に備えて保険や共済への加入を検討しましょう。子ども向けの保険や共済について知りたい方は、生活クラブの共済・保険をぜひご参考ください。