2020年時点における厚生労働省の調査によると、人口10万人に対して960人が怪我や病気で入院しています。
(出典:厚生労働省「令和2年(2020)患者調査の概況」
/https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/20/dl/jyuryouritu.pdf)
現在は元気な人も「いつ・どのタイミングで怪我や病気に見舞われるか」を予測できないからこそ、入院する時に備えて正しい知識を持つことが大切です。
当記事では、自分自身や家族の「もしも」に備えたい人に向けて入院に最低限必要なものと、病院に持っていくと便利なグッズを紹介します。入院を急に伝えられても焦らず、落ち着いて対応するためにも、ぜひ参考にしてください。
目次
1. 入院の際に必要なもの全22選
入院生活を少しでも快適かつ不安なく過ごすためには、さまざまなものが必要です。入院中は簡単に忘れ物を取りに帰ることが難しいため、必要なものを知っておき、抜かりなく準備を進めてください。
ここからは、一般的な入院で必要なものをひと通り紹介します。
1-1. 手続きで必要なもの6つ
入院が決まると、多くの病院では事務処理を行う部署において、手続き方法の詳細や必要書類が案内されます。入院当日は案内された内容に従って受付を済ませた後、入院する病室に入る流れが一般的です。
以下は、多くの病院の入院手続きに必要なものを示します。
健康保険証 | 健康保険証を提示しなければ健康保険の適用を受けられないため、忘れずに持参しましょう。 |
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診察券 | 入院手続きでは健康保険証と一緒に、普段の通院で使用している診察券も提示します。 |
入院誓約書 | 入院誓約書を事前に受け取っている場合は記名、押印して持参します。 |
印鑑 | 入院当日に記入する書類へ捺印を求められるケースもあるため、印鑑が必要です。 |
お薬手帳 | お薬手帳は、服用中の薬を確認したり入院中の処方を決めたりする目的で使用します。 |
限度額適用認定証 | 所得に応じた限度額を超える部分の入院費用立て替えを避けたい場合は限度額適用認定証を取得して、持参しましょう。 |
手術予定がある人は上記のほか、手術や検査に関する同意書や麻酔問診票が必要になることもあります。入院目的によっては必要な手続きが増減するケースもありますので、事前に案内された内容に沿って持ち物を決めましょう。
1-2. 入院生活に必要なもの16つ
入院中は基本的に着替えや食事も病院内で行うため、最低限の生活用品が不可欠です。また、入院中は知人が見舞いに来てくれる可能性もあることから、身だしなみを整えられるものも持っていくと安心でしょう。
以下では、手続き関係以外に入院中、必要なものの具体例を紹介します。
1-2-1. 着替え
数日から数週間程度の入院では1週間分の着替えをベースに、枚数を考えます。大まかな目安としては、1週間あたり下着1枚、靴下1枚、パジャマ1枚を1セットとして3セット用意すると安心です。例えば、2週間の入院では合計で6セットを用意するとよいでしょう。1か月を超える入院では途中で洗濯する必要があるため、1週間程度は手持ちでまかなえるように、3~6セット程度を持参しましょう。
以下は、着替え関係で必要なものの具体例です。
下着・靴下 | 下着や靴下は着脱しやすい、ゆったりとしたサイズのものを用意します。 |
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パジャマ | 入院中は吸湿性が良く、前開きになっているパジャマが便利です。 |
上着 | 病室が寒い場合に備えて、カーディガンやベストを用意します。 |
なお、コインランドリーの有無やクリーニングサービスの利用可否は、病院によって異なります。家族や知人のサポートを受けられない人は詳細を事前に確認し、着替えの枚数を調整しましょう。
1-2-2. 食事用品
多くの病院では食事の度に必要な食器を用意してくれる可能性が高いものの、持参をお願いされることもあります。事務処理を行う部署の人や看護師さんから持参をお願いされた場合は、以下のものを用意しましょう。
箸・スプーン | 食事の度に洗う作業を面倒に感じる場合は、使い捨てが便利です。 |
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コップ | コップは、食事と一緒に出されるお茶を飲むために使用します。 |
手術後は寝たきりになる可能性がある人は、ストロー付きのコップを持参するとよいでしょう。蓋も付いたコップを持参すると寝たまま飲んでもこぼれず、安心して使用できます。
1-2-3. 日用品
日用品は売店で買い足しできるとは言え、使い慣れたものがあったほうが便利です。中には、売店がない病院もあるため、以下の中から必要なものを選択して持参しましょう。
タオル類 | バスタオルとフェイスタオルを複数枚、持参します。 |
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洗面用具 | 洗顔石けん、歯ブラシ、コップを持参します。必要な場合は鏡、くしも持参しましょう。 |
入浴用品 | 入浴許可が出た場合に使用するシャンプー、リンス、ボディソープ、スポンジなどを持参します。 |
ハンガー・洗濯バサミ・洗剤 | 入院中にコインランドリーを使用し、洗濯する場合に必要です。 |
ティッシュ | ボックスティッシュとウェットティッシュを持参すると便利です。 |
筆記用具 | 入院中に書類を記入する目的で使用するため、ボールペンがおすすめです。 |
スマホ・充電器 | スマホは、家族や会社への連絡用に使用します。 |
洗面用具 | 洗顔石けん、歯ブラシ、コップを持参します。必要な場合は鏡、くしも持参しましょう。 |
室内履き | 滑りにくい素材でできた、かかとの低いスニーカーを用意しましょう。 |
(男性の場合)電気シェーバー | 多くの病院では刃物を持ち込みできないため、髭剃りには、電気シェーバーを使用します。 |
(女性の場合)生理用品 | 入院と日程が重なる場合は、吸湿量が多いタイプのナプキンやタンポンを持参します。 |
(女性の場合)メイク道具、メイク落とし | 面会や外出する際に化粧したい場合は、好きなものを持参します。 |
短期間の入院では、着替え同様に1週間分をベースとして「何週間分の日用品が必要か」を考えて、持参する量を決めましょう。1か月を超える入院で持参する量の考え方も、基本的には同様です。ただし、1か月を超える場合は病院内で退屈さを感じる可能性があるため、気持ちをリフレッシュできるグッズも持参すると重宝します。
2. 入院生活にあると役立つもの全8選
入院中は身体を思うように動かせなかったり生活スペースが病院内に限定されたりすることに、ストレスを感じる可能性があります。入院中のストレスを少しでも解消するためには最低限必要なもののほか、下記の表も参考にして、あると役立つグッズを持参しましょう。</p
懐中電灯 | ミニサイズの懐中電灯は消灯後、必要最小限の明かりを付けたい時に活躍します。 |
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S字フック | S字フックを持参してビニール袋をつるせば枕元に、簡易的な小物入れを作れます。 |
イヤホン | イヤホンは、病室でテレビを見る際に使用します。コードの長さは2〜3m程度のものがよいでしょう。 |
赤ちゃん用のおしりふき | 赤ちゃん用のおしりふきはしっかりと水分を含んでいるため、身体の汚れを拭き取る際に活躍します。 |
延長ケーブル | 多くの病室にはコンセントが1つしかないため、複数使用したい場合は、延長ケーブルを持参しましょう。 |
マジックハンド | マジックハンドは寝たきり状態で身体の自由が効かない時、やや離れた場所にあるものを自分で取るため、使用します。 |
クリアケース | クリアケースは、入院中や退院時に受け取る書類をまとめるために使用します。 |
置き時計 | 時計がない病室もあるため、小型サイズの置き時計を持参すると安心です。 |
入院中にあると役立つものは、病室の環境や体調によっても変化します。また、多くの病室は荷物を置くスペースが限られているため、必要以上に多くのものを持ち込むことは避けましょう。
また、入院中は病室を離れる時間も多いことから、高価なものの持参は避けることがおすすめです。病室に置く現金も必要最小限にして、トラブルを未然に防ぎましょう。
まとめ
入院の手続きには、健康保険証・診察券・印鑑などを使用します。所得に応じた限度額を超える費用の立て替えを避けるためには、限度額適用認定証を持参しましょう。また、入院生活には最低限、期間に応じた着替え・日用品が必要です。病院で用意されない場合には、お箸やスプーンなどの食事用品も持参します。
その他、入院生活にあると役立つものはさまざまです。必要なものを忘れずに準備して入院する日を迎え、病院で感じるストレスを少しでも軽減しましょう。