2023/7/20(最終更新日)

【2023年】季節外れのインフルエンザが流行中?原因・予防法を解説!

インフルエンザは一般的な風邪と比べて高熱が出やすく、頭痛や関節痛といった全身症状が出やすい感染症です。冬に流行のピークを迎えるケースが多いインフルエンザですが、今年(2023年)は季節外れのインフルエンザが流行していると言われています。

この記事では、インフルエンザとはどのような病気かをふまえた上で、2023年に流行している季節外れのインフルエンザと、流行の原因と考えられる背景について解説します。インフルエンザに感染した場合の対処法や、感染を予防するための方法も併せて確認し、インフルエンザへの対策を整えましょう。

目次

1. そもそも「インフルエンザ」とは?

2. 【2023年】季節外れのインフルエンザが流行中!

2-1. 考えられる主な原因は「免疫力の低下」

3. インフルエンザにかかってしまったときの対処法

4. インフルエンザにかからないための予防法

4-1. こまめな手洗い・うがいを心がける

4-2. マスクを着用する

4-3. 室内を定期的に換気する

4-4. バランスのよい食事と十分な睡眠を心がける

4-5. インフルエンザワクチンを接種する

まとめ

1. そもそも「インフルエンザ」とは?



「インフルエンザ」は、インフルエンザウイルスによって引き起こされる呼吸器感染症です。下記のように、一般的な風邪と比べて症状が重い場合が多いことに留意しましょう。

◆インフルエンザと一般的な風邪の比較

 

インフルエンザ

一般的な風邪

主な症状

  • 38℃以上の高熱
  • 頭痛、関節痛、筋肉痛など
  • 喉の痛み、鼻水、咳など
  • 強い倦怠感
  • 喉の痛み、鼻水、咳など
  • 発熱(熱が出ない場合もある)

症状が現れる部位

  • 全身(筋肉や関節など)
  • 局所(喉の痛みなど)
  • 局所的である場合が多い

発症のしかた

急激

比較的ゆっくり

流行の時期

冬(1~2月がピーク)

通年(ウイルスの種類による)


インフルエンザの主な感染経路は飛沫感染と接触感染であり、感染から1~4日程度の潜伏期間を経て発症します。

多くの方は1週間程度で症状が軽快しますが、重症化するリスクが高い方もいることに注意が必要です。高齢者や妊娠中の方、基礎疾患を持つ方では肺炎、乳幼児は肺炎に加えて急性脳症を併発するケースもあることに留意してください。

2. 【2023年】季節外れのインフルエンザが流行中!


日本における季節性インフルエンザの流行時期は、その年によって多少異なります。

しかし、多くの場合は11月下旬~12月下旬ごろから流行が始まり、翌年の1~2月ごろにピークを迎え、4~5月にかけて患者数が減少します。夏にインフルエンザに感染する場合もありますが、流行と言えるほどの患者数は発生しないケースがほとんどです。

このように、日本における季節性インフルエンザの主な流行時期は冬であり、夏にインフルエンザが流行することは一般的ではありません。しかし、今年(2023年)は7月時点において例年よりも季節性インフルエンザの発生数が多くなっており、季節外れのインフルエンザが流行している状況にあると言われています。

日本における今シーズン(2022-2023年)のインフルエンザの流行は、2022年12月からスタートしています。2023年2月にピークを迎え、3月下旬ごろには収束したように見えたものの、患者数が再び増加傾向を示すなど、例年とは異なる挙動を示しました。7月時点での患者数はピーク時よりも減少しましたが、例年よりも高い水準を維持しています。

また、地域によっては、インフルエンザ様の感染症による児童・生徒の集団感染による学級閉鎖や休校も発生しています。今後の感染状況や医療機関の状況によっては、さらに大きな流行となることも考えられるでしょう。

(出典:厚生労働省「インフルエンザの発生状況」/https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou.html

2-1. 考えられる主な原因は「免疫力の低下」


インフルエンザウイルスは、変異が頻繁に起こるウイルスです。毎年流行するタイプが異なるため、前年に感染した方が翌年もインフルエンザにかかるケースも少なくありません。その一方で、このような複数回の感染を経験することにより、インフルエンザウイルスに対抗する力を鍛えられるとも言われてきました。

しかし、2020年に始まった新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、この3年間は主に飛沫感染を想定した大規模な感染対策が行われてきました。

この感染対策はインフルエンザにも有効であったとされており、インフルエンザの大規模な流行も少ない状況が続いていました。つまり、インフルエンザへの免疫を獲得する機会が少ない状況であったとも言えます。

現在では、新型コロナウイルス感染症の5類感染症への移行に伴い、感染対策も緩和されています。インフルエンザに対する免疫力が低い状態の方が多い一方で、ウイルスへの感染機会は増加していることが、季節外れのインフルエンザの流行につながったと考えられます。

また、免疫力が低下している状態では、インフルエンザに感染しやすくなるだけでなく、重症化リスクも高まる恐れがあります。インフルエンザの感染予防を行いながら、自身の免疫力を高めるための対策を行うことも重要です。

3. インフルエンザにかかってしまったときの対処法


インフルエンザの場合、症状を緩和する内服薬に加えて、発症後48時間以内に抗ウイルス薬を服用することにより、症状の早期軽減につながると言われています。インフルエンザの発症が疑われる場合は、早めに医療機関を受診して適切な治療を受けるようにしてください。

自宅で療養する場合は十分な睡眠をとり、安静に過ごすことが大切です。室温・湿度を適切に保ち、水分補給をしっかり行いましょう。感染した方が無理のない範囲でマスクを着用したり、お世話をする方が手洗い・うがいを十分に行ったりすることで、感染拡大を防ぐことも重要です。

4 インフルエンザにかからないための予防法


インフルエンザは一般的な風邪よりも症状が重いケースが多く、乳幼児や高齢者などでは重症化するリスクもあります。インフルエンザが流行している時期には、インフルエンザ予防を十分に行って感染を防ぎましょう。

ここでは、インフルエンザにかからないための予防法を5つ紹介します。

4-1. こまめな手洗い・うがいを心がける


手洗い・うがいには、
手や喉など体の表面に付着したウイルスを洗い流したり、不活化させたりする効果があると言われています。帰宅後や食事の前など、こまめに手洗い・うがいを行いましょう。

手洗いでは、石けんを使用して指の間や爪の間、手首など、手の全体を念入りに擦り洗いし、流水で洗い流した後、清潔なタオル・ハンカチなどで水分をふき取ります。ポビドンヨード(イソジン)などの消毒液を用いてうがいをする際には、用法用量をよく読んで適切に使用しましょう。

4-2. マスクを着用する


インフルエンザウイルスの主な感染経路は飛沫感染であるため、マスクを着用することで感染リスクを抑えられると考えられます。インフルエンザウイルスへの感染が気になる方は、日常生活を送る上で無理のない範囲でマスクを着用するとよいでしょう。

特に、不特定多数の方で混雑している場所で、咳・くしゃみなどの症状がある方がいる場合はマスクの着用をおすすめします。暑い時期にマスクを着用する際には、熱中症などに十分注意してください。

4-3. 室内を定期的に換気する


部屋の空気が乾燥すると喉や鼻の粘膜も乾燥しやすくなり、ウイルスに対する体の防御機能が低下する恐れがあります。冷房・暖房などでエアコンを使用すると、室内の空気が乾燥しやすくなるため、定期的に換気して十分な湿度を保つようにしましょう。

また、定期的な換気は室内にいるウイルスを室外に出すことにもつながります。インフルエンザウイルスは紫外線によって不活化するため、ウイルスの数を減らすためにも十分に換気を行うことが大切です。

4-4. バランスのよい食事と十分な睡眠を心がける


体の免疫力が低下した状態では、インフルエンザなどの感染症にかかりやすく、重症化のリスクも高まると言われています。

自身の免疫力を高めるためにも、生活習慣を見直し、バランスのよい食事や十分な睡眠を心がけましょう。適度な運動を取り入れることや、ぬるめの湯にゆったり浸かって体を温めることも重要です。

4-5. インフルエンザワクチンを接種する


インフルエンザウイルスの感染が気になる方は、インフルエンザワクチンを接種することも検討しましょう。

日本で流通しているインフルエンザワクチンは、感染や発症を完全に防ぐことはできませんが、重症化リスクの低減に一定の効果があるとされています。高齢者は10月上旬、それ以外の方は10月下旬から接種できるため、医療機関と相談の上で接種のスケジュールを立てるようにしましょう。

まとめ


インフルエンザは通常冬に流行する感染症ですが、今年(2023年)は季節外れの流行を見せており、感染状況や医療機関の状況によっては、さらなる感染拡大も考えられます。

インフルエンザの疑いがある場合は早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。こまめな手洗い・うがいの実施や定期的な換気、生活習慣の見直しも重要です。

インフルエンザは1週間程度で症状が軽快するケースがほとんどですが、子どもや高齢者など重症化リスクの高い方もいます。重症化した場合は、入院での治療・療養が必要となることもあります。万が一の際に備えて、共済・保険に加入することも検討しましょう。

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