2024/1/26(最終更新日)

最新の乳がん検査「無痛MRI乳がん検診」とは?検査の流れと費用も

女性特有の病気の早期発見を目的とした検査の1つに、乳がん検査があります。近年、注目を集めている乳がん検査の方法が「無痛MRI乳がん検診」です。

無痛MRI乳がん検診は身体にかかる負担が少なく、検査を受ける際の心理的負担も抑えられます。従来型の乳がん検査に苦手意識があり、「無痛MRI乳がん検診を受けてみたい」と考える女性は多いのではないでしょうか。

今回は、無痛MRI乳がん検診とは何かから、主な特徴と検査の流れ・費用までを解説します。

目次

1. 「無痛MRI乳がん検診」とは?

2. 無痛MRI乳がん検診の5つの特徴

2-1. 痛みがない

2-2. 放射線被ばくがない

2-3. プライバシーが守られる

2-4. 精度が高い

2-5. 豊胸術・乳房手術後でも検査できる

3. 無痛MRI乳がん検診を受ける流れ

4. 無痛MRI乳がん検診の費用

まとめ

1.「無痛MRI乳がん検診」とは?

無痛MRI乳がん検診とは、強力な磁石と電磁波で体内を画像化できるMRIで行う、新しい乳がん検査です。DWIBS法(ドゥイブス法)と呼ばれる検査方法を使用していることにより、「ドゥイブス・サーチ」と呼ばれることもあります。

DWIBS法は、日本人医師の高原太郎氏が2004年に発表した検査方法であり、MRI内で寝ているだけで全身のがんの有無などを診断できる検査法です。無痛MRI乳がん検診はDWIBS法を利用しているため、造影剤を使用せずに乳がん検査が行えます。

無痛MRI乳がん検診は、乳腺濃度の影響をほとんど受けない点も特徴です。日本人女性に多いデンスブレスト(高濃度乳房) の方でも問題なく受けられます。

従来、日本における乳がん検査と言えばマンモグラフィが主流であり、その他に乳腺超音波検査も一般的に行われていました。

しかし、近年ではMRIを用いた乳がん検査の有用性が検証されたことによって、全国の病院でMRIを用いた乳がん検査が徐々に導入されてきています。

MRIを用いた乳がん検診は、従来の乳がん検査と違って痛みを伴わないため「無痛MRI乳がん検診」と呼ばれ、最新の乳がん検査として近年非常に注目されています。

2.無痛MRI乳がん検診の5つの特徴

最新の乳がん検査である無痛MRI乳がん検診には、従来の乳がん検査にはないさまざまな特徴があります。無痛MRI乳がん検診が気になる方は、特徴を理解した上で受けるかどうかを検討しましょう。

以下では、無痛MRI乳がん検診ならではの特徴を5つ挙げて、それぞれがどのようなメリットにつながるかも紹介します。

2-1.痛みがない

無痛MRI乳がん検診は、胸の部分が乳房型にくり抜かれた専用のMRIベッドで、うつ伏せの姿勢になって検査を行います。乳房を押しつぶす姿勢にならないため、圧迫による痛みがないことが特徴です。

従来の検査方法であるマンモグラフィでは、乳房を引っ張って伸ばし、板に挟む形式で検査を行います。検査中に感じる痛みには個人差があるものの、中には強い痛みを感じる方も少なくありません。

無痛MRI乳がん検診は検査中の痛みがなく、マンモグラフィで強い痛みを感じた経験がある方も受けやすい検査です。

また、無痛MRI乳がん検診は造影剤を注射する必要がないため、注射による痛みもありません。

2-2.放射線被ばくがない

無痛MRI乳がん検診で使用するMRIは、強力な磁石と電磁波によって体内を検査する医療機器です。検査に放射線を使わないため、放射線被ばくを気にせず受けられます。

対して、マンモグラフィではエックス線装置を使用します。検査に放射線の一種であるエックス線を使用するため、微量ではあるものの放射線被ばくをするリスクがありました。

放射線被ばくがない無痛MRI乳がん検診は、繰り返し受ける必要がある乳がん検査に適した方法です。半年や1年のように短いサイクルでも検査を受けられるため、乳がんの早期発見に役立てられます。

2-3.プライバシーが守られる

無痛MRI乳がん検診は、Tシャツや検査着を着たまま検査を受けられます。服を脱ぐ必要がなく、プライバシーが守られる検査です。

従来のマンモグラフィや乳腺超音波検査では、画像をはっきりと表示させるために乳房をあらわにする必要がありました。機器を操作する技師に胸を見られることに対し、抵抗やストレスを感じる方も多かったでしょう。

無痛MRI乳がん検診は服を着たまま専用のMRIベッドに自分で寝そべるため、胸を他人に見られるおそれがありません。プライバシーが守られた環境で、安心して検査を受けられます。

2-4.精度が高い

無痛MRI乳がん検診は、マンモグラフィと比べてがんを見つけやすく、がん発見の精度が高いことも特徴です。

マンモグラフィの検査ではがんがある部位が白く写るものの、乳腺も白く写ります。50歳くらいまでの女性の乳房には乳腺が豊富に存在しているため、マンモグラフィで検査をしても乳腺にさえぎられて、がんが発見しづらくなる可能性もあります。

対して、無痛MRI乳がん検診は乳腺の影響を受けにくく、がんが黒く写ります。マンモグラフィでは発見できなかったがんも、無痛MRI乳がん検診では発見しやすくなり、がんの早期発見・早期治療につなげることが可能です。

2-5.豊胸術・乳房手術後でも検査できる

無痛MRI乳がん検診は、豊胸術・乳房手術後でも検査できます。

豊胸術・乳房手術では、一般的に乳房にインプラントを入れて形を整えています。インプラントは強い力を加えると破裂するおそれがあるため、豊胸術・乳房手術後は乳房を圧迫するマンモグラフィでの検査は基本的に行えません。

また、乳腺超音波検査は乳房を圧迫しない方法であるものの、インプラントで遮られた部分は画像化がしにくくなります。精度の高い検査ができないため、受診を断られるケースもあるでしょう。

無痛MRI乳がん検診は乳房を圧迫せず、インプラントによる影響も出にくい検査方法です。豊胸術や乳房手術をした方も、無痛MRI乳がん検診であれば問題なく乳がん検査を受けられます。

3.無痛MRI乳がん検診を受ける流れ

無痛MRI乳がん検診を受けるには、まずは無痛MRI乳がん検診を行える病院で検査を予約する必要があります。

また、乳腺は女性ホルモンの影響を受けるため、月経開始から5~14日程度の日にちで予約することがおすすめです。

無痛MRI乳がん検診の予約当日には、下記の流れで検査を受けます。

STEP1

予約時間の15~20分前に来院し、受付票・問診票を記入する

STEP2

更衣室で検査着に着替え、MRI検査室に移動する

STEP3

検査説明を受けたのち、MRI検査を受ける

STEP4

検査が終了したら、再度着替えを済ませてお会計をする

病院によっては、問診票が事前送付されるケースもあります。事前送付の場合は、問診票に必要事項を記入のうえ、当日に忘れず持参しましょう。

STPP3で行われる無痛MRI乳がん検診の検査時間は約15~20分です。検査中に気分が悪くなったなどのトラブルが発生したときには、備え付けのボタンを押すと検査をストップしてもらえます。

なお、無痛MRI乳がん検診の検査結果は、約2~3週間後に指定の住所宛に郵送されます。

4.無痛MRI乳がん検診の費用

無痛MRI乳がん検診は健康保険が適用されないため、自由診療で受けるしかありません。検査費用は1回あたり20,000~30,000円と高額になる傾向があります。

対して、マンモグラフィの一般的な費用は健康保険適用後で5,000円程度です。無痛MRI乳がん検診とマンモグラフィのメリットや費用を比較し、自分に合ったほうを選ぶと良いでしょう。

乳がん検査の結果、万が一乳がんが見つかった場合には入院・治療費用もかかります。乳がん検査を受ける前には、保険の加入状況を確認しておくこともおすすめです。

まとめ

無痛MRI乳がん検診は、MRIを使用する最新の乳がん検査です。検査に伴う痛みや放射線被ばくがなく、検査の精度が高いなど、従来の検査方法にはないさまざまな特徴・メリットがあります。

乳がん検査を受ける際は、がんに関わる保険の見直しもしましょう。

生活クラブ共済連では、さまざまな共済・保険を紹介しております。乳がん発見時の入院・治療に備えられる保険を検討したい方は こちらを御覧ください。

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