2024/4/15(最終更新日)

マイナ保険証とは?メリット5つ・デメリット3つを徹底解説!

マイナンバーカードを健康保険証として利用できる制度(マイナ保険証)について、見聞きしたことがある方も多いでしょう。マイナ保険証を利用できる医療機関も増えたことから、現行の健康保険証からマイナ保険証への切り替えを検討している方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、マイナ保険証の概要や、現行の健康保険証からマイナ保険証へと切り替えるメリット・デメリットについて解説します。マイナ保険証に関する施策も併せて確認し、十分な知識を得た上でマイナ保険証への切り替えを進めましょう。

目次

1.マイナ保険証とは

2.マイナ保険証を利用するメリット5つ

2-1.医療機関での受付が自動化する

2-2.窓口での限度額以上の支払いが不要となる

2-3.就職・転職・引越しによる保険証の更新が不要となる

2-4.マイナポータルから過去の診療情報を閲覧できる

2-5.医療費控除の確定申告が自動化する

3.マイナ保険証を利用するデメリット3つ

3-1.利用可能な医療機関が限られている

3-2.個人情報の漏洩リスクがゼロではない

3-3.一度発行すると従来の健康保険証には戻せない

まとめ

1.マイナ保険証とは


マイナ保険証とは、健康保険証の情報をマイナンバーカードに紐付けし、マイナンバーカードを健康保険証としても利用できるよう一体化する制度を指します。2021年10月に本格的な運用が開始され、2023年4月にはすべての医療機関・薬局でマイナ保険証を利用するためのシステム導入が義務付けられました。

そもそもマイナンバーカードとは、2016年1月にスタートしたマイナンバー制度に伴い、本人の申請によって交付されるようになった顔写真付きのICカードのことです。氏名や住所のほか、生年月日やマイナンバー(個人番号)などが記載されています。公的な本人確認書類として利用できるほか、所得税の確定申告や行政手続きにも活用可能です。

また、マイナンバーカードには「行政手続きが効率化できる」「所得や医療費などを正確に把握できる」「不正申請・不正利用を防げる」などの行政側のメリットもあります。このような背景もあり、2023年12月の閣議において、2024年12月に従来の健康保険証を廃止し、将来的にはマイナ保険証へと全面移行することが決定されました。

猶予期間や資格確認書の発行などの措置もあるため、マイナ保険証を持たないことですぐに医療機関を受診できなくなるわけではありません。しかし、マイナ保険証への切り替えという政府の方針は大幅には変わらないでしょう。マイナ保険証を利用するメリット・デメリットを踏まえた上で、マイナ保険証へと切り替えるかどうかはご自身で判断しましょう。

2.マイナ保険証を利用するメリット5つ


従来の健康保険証からマイナ保険証に切り替えることには、次のようなメリットがあります。

【マイナ保険証を利用する5つのメリット】

  • 医療機関での受付が自動化する
  • 窓口での限度額以上の支払いが不要となる
  • 就職・転職・引越しによる保険証の更新が不要となる
  • マイナポータルから過去の診療情報を閲覧できる
  • 医療費控除の確定申告が自動化する

ここでは、上記の5つのメリットについて詳しく解説します。

2-1.医療機関での受付が自動化する

従来の健康保険証の場合、医療機関を受診する際には窓口に保険証を提示し、受付スタッフは本人確認や保険証の情報確認を手作業で行う必要があります。

一方、マイナ保険証の場合、受付の顔認証付きカードリーダーにマイナンバーカードをかざすだけで、ICチップに記録された情報や顔写真を自動で照合することができます。加入する健康保険の内容や本人確認を非接触かつ自動で行えるため、素早く効率的に受付を済ませられるでしょう。

2-2.窓口での限度額以上の支払いが不要となる

日本の健康保険制度には、同じ月(1日から月末まで)に支払う医療費の自己負担が高額になった場合、自己負担限度額を超過した分が払い戻される制度(高額療養費)があります。

高額な医療費が必要になると判明している場合は、限度額適用認定証を事前に取得して提示することで、窓口での限度額以上の支払いは発生しません。しかし、申請が間に合わない場合は限度額以上の金額を一時的に支払う必要があります。

マイナ保険証を利用すれば、限度額適用認定証の手続きをしなくても、限度額以上の一時支払いが不要になります。高額な一時支払いがなくなるため、安心して医療機関を受診できるでしょう。

2-3.就職・転職・引越しによる保険証の更新が不要となる

国民健康保険制度には、自治体が保険者になる市町村国保や、企業や業種別に組織される国民健康保険組合があり、それぞれの団体が異なる健康保険証を発行しています。従来の健康保険証では、就職・転職・引越しなどの際には健康保険証の更新手続きを行い、新しい健康保険証の到着を待つ必要がありました。

一方、マイナ保険証の場合、健康保険の加入手続きが完了すれば、すぐに保険証を使用することができます。国民健康保険や後期高齢者医療制度における定期的な更新も必要ないため、より便利に活用できるでしょう。

2-4.マイナポータルから過去の診療情報を閲覧できる

マイナ保険証を利用することにより、スマートフォンアプリ「マイナポータル」から過去の処方歴や特定健診情報などの診療情報を閲覧できるようになります。診療情報をいつでも確認できるため、自身の健康状態を把握しやすくなるでしょう。

また、医師への情報提供に同意することで診療データを共有することも可能です。初めて受診する医療機関や調剤薬局などでも、データに基づいたより適切な診断・処方を受けられることが期待できるでしょう。

2-5.医療費控除の確定申告が自動化する

医療費控除を受けるために確定申告を行う場合、従来の健康保険証では医療費に関する領収書を保管しておいた上で、医療費の総額を計算するなどの手間がかかります。

一方、マイナ保険証を医療機関で利用した場合、マイナポータルをe-Taxと連携することで医療費控除に関する計算・記入を自動で行えます。計算が反映された確定申告書をそのまま提出でき、確定申告に関する手間を大幅に削減させられるでしょう。

3.マイナ保険証を利用するデメリット3つ


マイナ保険証への切り替えにはメリットもありますが、下記のようなデメリットもあることを押さえておきましょう。

【マイナ保険証を利用する3つのデメリット】

  • 利用可能な医療機関が限られている
  • 個人情報の漏洩リスクがゼロではない
  • 一度発行すると従来の健康保険証には戻せない

ここでは、上記の3つのデメリット・注意点について詳しく解説します。

3-1.利用可能な医療機関が限られている

2023年4月に、医療機関にマイナ保険証が利用できるシステムの導入が義務付けられ、マイナ保険証が利用できる医療機関は大幅に増加しました。かかりつけの医療機関でマイナ保険証の受付を行うカードリーダーを見かけたことがある方も多いのではないでしょうか。

一方で、2024年1月時点における参加率(全医療機関のうちマイナ保険証のシステムを運用している施設の割合)は9割程度となっています。現段階では、すべての医療機関でマイナ保険証を利用できるわけではない点に注意しましょう。マイナ保険証への切り替えを行った後も、しばらくの間は従来の健康保険証も所持しておくと安心です。

3-2.個人情報の漏洩リスクがゼロではない

マイナンバーカードに記載されているマイナンバーは、非常に重要な個人情報です。また、カードのICチップには電子証明書のデータも保存されています。マイナンバーカードと暗証番号があればマイナポータルを閲覧でき、個人の情報を確認できることを押さえておきましょう。

マイナ保険証に切り替えることで、マイナンバーカードを持ち歩く機会や取り扱う機会は大幅に増加します。マイナンバーカードの紛失や暗証番号の漏洩には十分に注意しましょう。

3-3.一度発行すると従来の健康保険証には戻せない

従来の健康保険証からマイナ保険証に切り替えると、マイナンバーカードと健康保険証との紐づけが解除できなくなります。マイナ保険証を解除して従来の健康保険証に戻すことができないことに注意しましょう。

なお、マイナ保険証への切り替え前から所持していた既存の健康保険証は、加入する健康保険組合に変更がない限り、切り替え前と同じように医療機関などで使用できます。従来の健康保険証も併用したい方は、返却せず手元に保管しておきましょう。

まとめ

マイナ保険証は、マイナンバーカードと健康保険証を一体化し、マイナンバーカードを健康保険証としても利用できるようにする制度です。マイナ保険証を利用することには、受付の効率化や各種手続きの簡略化といったメリットもある一方、個人情報の漏洩リスクなどのデメリットもあることに注意しましょう。

2024年12月には、従来の健康保険証が廃止され、マイナ保険証へと移行することが決定されています。マイナ保険証のメリット・デメリットを踏まえた上で、検討・判断するようにしましょう。

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