保険の見直し方
適切なタイミングから
見直しのポイントまで
保険は「加入すれば安心」という商品には該当せず、定期的な見直しにより、現状に即した契約内容へと切り替えることがおすすめです。保険を見直すと「保障内容が手厚すぎる」「保険料の負担が重い」などのミスマッチに気付くケースも多々あります。
では、保険の見直しはどのようなタイミングで、どのように進めればよいでしょうか。当記事では、見直しが推奨されるタイミングや見直す際のチェックポイントなど、保険の見直し方の基礎知識を解説します。
- 目次
- 1.保険の見直しが必要となる理由
- 1-1.ライフスタイルの変化に対応するため
- 1-2.保険料をなるべく抑えるため
- 2.保険の見直しが必要となるタイミング
- 2-1.結婚・出産
- 2-2.住宅購入
- 2-3.子どもの独り立ち
- 2-4.独立・起業
- 2-5.年金生活
- 3.保険見直し時のチェックポイント3つ
- 3-1.家計に無理のない保険料か
- 3-2.万が一のリスクに備えられる十分な保障内容・保障額か
- 3-3.保障期間が状況に適しているか
- まとめ
1. 保険の見直しが必要となる理由
そもそも保険は不測の事態が生じた際に経済的な問題を抱えることがないように、加入しておく商品です。
加入している保険は定期的に見直し、必要に応じて切り替えることが推奨されます。定期的に保険を見直すことが推奨される理由は、大きく分けて下記の2点が挙げられます。
- ライフスタイルの変化に対応するため
- 保険料をなるべく抑えるため
まずは、定期的に保険を見直すことが推奨される2つの理由をそれぞれ詳しく紹介します。
1-1. ライフスタイルの変化に対応するため
ライフスタイルが大きく変化するときには、必要な保障内容も変化します。ライフスタイルに応じた保障を過不足なく確保するためには、保険の見直しが不可欠です。
たとえば、小さな子どもがいる家庭では家計を支える人に不測の事態が生じた際にも教育費をまかなえるように、十分な保障を確保しなければなりません。子どもが独立すると教育費をまかなう必要がなくなるため、保障額を減らし、保険料を抑えることも可能です。
また、保険の保障内容は、時代の流れに応じて進化します。定期的に保険を見直すことで、よりライフスタイルに合う最新の商品への切り替えを進めることも可能です。
1-2. 保険料をなるべく抑えるため
保険の見直しの目的の1つは、保険料を抑えることです。自分自身の現状をふまえた上で最適な契約内容に切り替えると、保険料の負担を軽減できるケースがあります。保険料の負担を軽減するための手段としては、下記のような方法を検討できます。
- 保障内容を見直す
- 保険期間を変更する
- 掛け捨て型保険に切り替える
なお、保険を見直した結果としてより手厚い保障を求める場合、保険料が上がるケースも存在します。保険料を抑えることのみに執着し、保険を見直すことは避けましょう。
2. 保険の見直しが必要となるタイミング
大きなライフイベントを迎えてライフスタイルが変化すると、保険によって準備すべき保障も変化します。では、具体的にどのようなタイミングで、保険を見直せば良いのでしょうか。
ここからは、保険の見直しに適したタイミングの具体例とその理由について解説します。
2-1. 結婚・出産
結婚すると夫婦ともにパートナーのことを思いやり、協力しあって生活を維持する責任が生じます。家庭の状況に合わせて必要な保障を見直し、過不足なく保険に加入しましょう。
また、出産によって家族が増えるタイミングにおいても、必要な保障は変化します。子どもが独立するまでに必要な生活費・教育費をシミュレーションし、十分な保障を準備しましょう。
2-2. 住宅購入
住宅の購入は、家計の収支バランスを大きく変化させるイベントです。毎月の住宅ローン返済額を考慮した上で家計に過剰な負担をかけないように、保険の見直しを進めてください。
保険を見直す際のポイントは、団体信用生命保険と既存の保険の保障内容を見比べて、重複を排除することです。団体信用生命保険とは、住宅ローンの契約者が返済中に死亡したとき、残債務の返済を肩代わりする商品を意味します。団体信用生命保険に加入した分、既存の保険の死亡保障を減らすと、保険料を抑えることが可能です。
2-3. 子どもの独り立ち
子どもが独り立ちすると、親としての責任を果たすために準備していた死亡保障の必要性が低下します。一方で自分自身やパートナーの病気に対する備えを確保する必要性が高まるため、保険の見直しが必要です。
また、子どもが独り立ちした後は、自分自身やパートナーの老後の生活を維持するために必要な保障を確保する必要があります。必要に応じて、介護保険などに代表される「第三分野」の保険への加入も検討しましょう。
2-4. 独立・起業
会社員が独立・起業すると、健康保険から国民健康保険・厚生年金から国民年金へと、公的な保険が切り替わります。公的な保険が切り替わると万が一の事態が生じた場合に受けられる保障が変化するため、保険の見直しが必要です。
一般的に国民健康保険・国民年金では、健康保険・厚生年金ほど充実した保障を受けられません。そのため、死亡保障や医療保障をさらに充実させ、自分自身や家族の生活を守りましょう。
2-5. 年金生活
定年退職を迎えて年金生活に入る頃には多くの場合、手厚い死亡保障が必要とは言えません。パートナーへの保障・葬儀費用・相続対策などの観点から必要な死亡保障額を判断し、保険の見直しを進めてください。
年金生活に入ると、毎月の収入は減ることが通常です。しかし、医療保障は極力残し、加齢に伴う病気や要介護状態になった場合に備えると安心でしょう。
3. 保険見直し時のチェックポイント3つ
保険の見直しを進める際にはまず、既存の保険の契約内容を確認します。次に自分自身や家族の状況に応じ、保険によって備えるべきリスクを特定しましょう。その後、保険料の予算を決定し、保障内容や保障期間を調整します。
そして、上記の一連の流れにおいて注意しなければならないポイントは、下記の3つです。
3-1. 家計に無理のない保険料か
保険料は、契約する保険の保障内容によって変わることが通常です。定期的に保険を見直し、家計に無理のない保険料であるかを確認しましょう。参考までに、下記表は男女別・年間払込保険料の平均値です。
男性 | 女性 | 全体 |
---|---|---|
20.6万円 | 16.0万円 | 17.9万円 |
(出典:公益財団法人 生命保険文化センター「令和4年度 生活保障に関する調査」)
ただし、年間払込保険料の平均値は、高額保険料を支払う一部の人の影響を受ける傾向があります。実際、保険加入者のうちの約3割は、年間払込保険料が12万円未満の人です。世間一般の平均値は参考程度にとらえて、家計の現状をふまえた無理のない予算の範囲で、保険料の予算を決定しましょう。
3-2. 万が一のリスクに備えられる十分な保障内容・保障額か
保険を見直す際には、既存の保険の保障内容・保障額を確認することも大切です。そして、万が一のリスクに備えられる保障内容・保障額であるかを改めて検討しましょう。
保険の保障内容には、死亡保障・入院保障・医療保障などの種類が存在します。各保障の詳細は、下記表の通りです。
死亡保障 | 死亡もしくは重度障害状態に到ったときに保険金を支払う保障 |
---|---|
入院保障 | 被保険者が入院したときに保険金を支払う保障 |
医療保障 | 保険会社の指定する疾病の診断を受けたとき・手術するときなどに保険金を支払う保障 |
前述の通り、保険によって備えるべきリスクは、ライフスタイルに応じて変化します。保険によってどのようなリスクに備えるかをよく考えて、必要な保障内容・保障額を判断しましょう。
3-3. 保障期間が状況に適しているか
保障期間が現在の状況に適しているかも、重要なチェックポイントの1つです。保険の保障期間(保険期間)とは、契約上の保障が開始されてから終了するまでの期間を指します。保険期間によって保険を分類すると、終身保険・定期保険に分けることが可能です。
終身保険 | 保障期間が一生涯継続する保険 |
---|---|
定期保険 | 保障期間が限定的である保険 |
保険の中には、終身保険・定期保険を組み合わせた「定期付終身保険(定期保険特約付終身保険)」も存在します。定期付終身保険とは、保険料の払込が終了するまでは定期保険によって充実した保障を提供し、終了後は終身保険へと切り替わる保険です。
保障期間が状況に適していなければ、必要な時期に必要な保障を受けられません。既存の保険の保障期間はいつまでかを定期的に確認し、万が一のリスクに備えましょう。
まとめ
SUMMARY
保険は、結婚・出産や子どもの独り立ちなど大きなライフイベントを迎えるタイミングで見直すことが推奨されます。保険を見直す際には既存の保険の保険料・保障内容・保障額の妥当性を確認し、現状に即した契約内容へと切り替えることが大切です。
なお、保険の見直しに際して保険料の負担を軽減するためには、保険から共済へと切り替える方法も存在します。保険の見直し方や共済への切り替えについてより詳しく知りたい人は、ぜひ生活クラブに相談ください。
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